簗田裕之 : ラストバイブルIII サウンドトラック
TITLE / ラストバイブルIII サウンドトラック
LABEL / supersweep
DATE / 2011
さてGB名作音楽集も5回目ですね。今回はみんな大好きがんばれゴエモンシリーズより、『さらわれたエビス丸』です。がんばれゴエモンは初代がFCです。本作は同年にSFCで『ゆき姫救出絵巻』が出たのちに発売されてるくらいですからかなりおなじみのシリーズなわけです。発売は1991年。開発元はコナミ。コナミのゲーム音楽といえば、ゲーム自体に音ゲーの有名作品も多く(『ビート・マニア』『ダンス・ダンス・レボリューション』『ポップン・ミュージック』)、シューティングをはじめとして、そのゲーム音楽の良さを賞賛する声が多いみたいです。それゆえに、「コナミサウンド」という通称を持っているわけですね。
さて、本作です。僕のゲーム遍歴からすれば、コナミ系作品をやってること自体があまりないのですが、それでもそこに本作がすぽっと入り込むあたりがヒロイックだなーと思います。これもサントラなどでは出てないですね。手がけたのは「たさかしんじ」さんと「はぎわらよしゆき」さんと十一谷明広さんです。十一谷さんはその後もいろんなハードにおいて音楽を手がけていますが、前の2人はどうも以後露出があまりないようです。ベテランだったのでしょうか。手がけた役割や割合なども不明です。シリーズを通して手がけるという習慣がコナミにはないのかもしれません。そこにスクウェアと比べるとゲーム音楽が後景化する理由があるように思います。最近の重要シリーズ『メタルギアソリッド』では2以降でイギリスの作曲家Harry Gregson-Williamsを起用する戦略をとっていますが。
ゲーム自体が、知っての通り和のテイストを大切にすることが要求されますので、洋楽チックにプログレなどに流れるスクウェア系RPG作品とは異なり、なんともぽい旋律性を持っています。もっとも評価の高いのは動画のコメントを見れば分かりますように、出羽のフィールド曲です。三味線をゲームボーイのサウンドボードで見事に再現しております。他の楽曲群も、統一感を持たせながら、フィールド用のものを中心としてゲーム音楽として素晴らしい到達点にあるといえるでしょう。
と、ここまでかきながら、申し訳ないことに、他のゴエモンシリーズをほとんどやったことがないので、本作の音楽が一番いいのかわからないのですね。ゲームボーイ音源というのはそれだけでかなりプラス要因なわけですけど。
あとサガシリーズでもそうだったんですが(ジュークボックスですね)、音楽に自信があるがゆえにかどうかはわかりませんが、本作には確かサウンド・テスト機能が付いていました。つまりゲームボーイの音楽をそれだけで聞かせたいという製作者側の意図があったわけですね。この機能は他のゲームボーイソフトに標準的なものだったのでしょうか? そうでなければ、そのような機能の有無で製作者側の音楽にかける本気度を測るのも良いかもしれません。
てかニコニコ動画にもうネタがなさそうです。
さてGB名作音楽集も4回目ですね。今回はみんな大好き星のカービィです。カービィも初代はGBなんです。発売は1992年。やはりこの頃はGB黄金時代ですね。僕にとってもそうですが。開発元はHAL研究所。通称ハルケンです。
さてゲーム音楽好きの皆さんのことですから、もはや気づいてらっしゃると思いますが、これまで紹介したやつはすべてオリジナル・サントラが発売されていません(多分)。現在ならば結構サントラというものも出やすい状況だと思います。歌手とのタイアップなどもありますし。しかし当時はいくら良くても一部を除いてゲーム音楽は不遇だったわけです(もうすぐ不遇でなかったスクウェア系のをレビューします)。要因もあります。たとえば本作のように曲としての展開が少なく、それらをまとめてもどうしても尺が短くなる場合があるわけです。しかしだからといってそれらが捨て置かれる状況というのが許されていいはずありません。いつかしっかりとアーカイブ化され、公式音源としてオリジナルのまま発売されて欲しいものです。それまでは有志によるまとめが役立ちます。著作権的には?ですが。
ゲームは常に音楽とともにありました。ゲーム音楽はポピュラー音楽としてかなりの有効範囲を備えているはずです。そして懐メロとして回収されるにはあまりに惜しい現在性もあるはずです。僕はGBしか所有を許されなかった家庭環境でしたが、それでも多くの曲がしっかり脳裏に刻まれている上に、今聴いても良くできてると思う曲が多々ある。
このカービィの楽曲群も短いながら良質なアイディアに満ちている。いくつかはその後のカービィにも欠かせない名曲としてアレンジを変えて今の世代にも受け継がれている。このようにシリーズを通して伝承されるというのも多くのゲーム音楽の特性として重要でしょう。カービィの音楽を手がけているのはいうまでもなく石川淳です。すごい旋律を生み出します。オープニング、グリーングリーンズのステージ、デデデのステージなどが有名ですが、当然他の曲も興味深いですね。いうまでもなく音楽が優れていればゲームデザインも優れているのであしからず。
個人的な電子音楽への源流を探るゲーム音楽特集第3弾です。前回の予告ではスクウェアのあの2人にしようと思っていたけれど、やめました。ラストバイブルにします。Iは1992年発売、IIは1993年発売です。物語としては、多種間理解と神殺しでしょうか。作曲者は両作品とも「ヤナダ ヒロユキ(梁田裕之?)」というかたです。もしかしたらチームで作っていたのかもしれませんが。情報を探しましたが見つかりませんでした。これほどよいゲーム音楽を手がけているにも関わらず、名前がしっかりと刻まれていないというところにゲーム音楽の不遇があるように思います。このように良い音楽を送り出しながらも、EDクレジットでカタカナ表記されて終わってしまうというのはなんとも悲しい状況だったといわざるを得ない。もしかしたら今でも現役で製作に携わっているのでしょうか。メガテン・シリーズのアトラスではなくその下請けであるマルチメディア・インテリジェンス・トランスファーが開発しているというのも、いわゆるゲームクリエイターの後景化につながっているのかもしれない。このあたりは推測ですけれども。個人的にはIIの音楽のほうが秀逸であると思いますが、Iもその萌芽をしっかりと備えた名曲ぞろいです。IのOPを聴けば見事なコンポジションに驚かされることでしょう。ボス戦の曲など唖然としてアゴ外れます。各パートが動き回りなが、見事な主旋律が歌いを演出している。単調に終わらない見事な展開も素晴らしい。FF、サガ、ドラクエと数ある音ゲーたちの中でも決して見過ごすことのできないRPG屈指の名曲群である。このゲームをしているかどうかでその後の音楽的性向は変化するとさえいえるだろう。ゲーム音楽といわれたときに、まず思い出すためにも是非プレイして欲しいです。