菊田裕樹 : 聖剣伝説2 Original Sound Version
ARTIST / 菊田裕樹
TITLE / 聖剣伝説2 Original Sound Version
LABEL / 日本クラウン
DATE / 1993
TITLE / 聖剣伝説2 Original Sound Version
LABEL / 日本クラウン
DATE / 1993
1497。ゲーム自体も1993年発売。原音サントラは1995年、2006年とリイシューされている模様。今回もSFCです。かなり好きなゲームでしたが、多分2周くらいしかしてません。泣けるゲーム。聖剣伝説無印はFF外伝としてイトケンがまるっと手がけたわけですけれども、SFCに行くにわたり、おそらくFFから独立したタイトルとしての色合いを強めるために作曲家は変更されました。あるいはイトケンがサガシリーズをやっていくことになるからかもしれないが。そこで出てくるのがこの菊田さんです。wikiによれば、この人は関大哲学科卒業後、漫画家を経て、独学で音楽を学び作曲家へという波乱万丈な道を歩んだらしく、スクウェアのほうもそうそうに退社してしまいました。当時トータルコンポーザーとしてスクウェアに残したゲーム音楽は本作、『聖剣伝説3』、『双界儀』となっており、一般に菊田の名前が広がっていない理由かもしれない。退社後はゲームデザイナーをやってみたり、エロゲーの音楽を担当したりと、本当になんというか、ふらふらふらふらしているように感じます。最近ではスクウェア・エニックスのオンラインゲームである『コンチェルト・ゲート』の音楽をイトケンとともに制作したというのが記憶に新しいでしょうか。スクウェアに絡んだ作曲家としての名声は他の人々に比べるとやや下がるかもしれませんが、本作を聴けばその実力は天才的だということがわかるでしょう(ゲーム音楽作る人は天才しかいません)。多分波乱万丈方の生き方が招いた不遇というものがあると思います。それだけ自分の能力に自信があるのかもしれません。それだけでなくこの盤のよさが彼の天才性を証明しているから文句はでまい。もちろん、菊田さんの最高傑作というか、一番有名だと思われるのがこの処女作なわけで、僕自身『聖剣伝説3』を除いて、その後の彼の作品を追っているわけではないので、この期待が幻想であるかもしれないけれども。それらすべてが駄作であったとしても、本作を作ったことにより、彼は天才の名を冠してもいいのだといえる。ゲームソフト自体もwikiによれば150万本売れているわけですから、この音楽は十分ポピュラー音楽として人々の心に刻まれているはずなのです。ゲーム音楽が偉大なポピュラー音楽であることの証左でしょう。独得の調性と、変則的なビート、それらを奇抜に見せない極上の旋律性。泣きながらありがとうといえる名盤でしょうね。ゲーム自体もWiiのVCで配信されているようですので、やってない人はやらないと話しにならないでしょう。マジで傑作。