Mice Parade : Mokoondi
ARTIST / Mice Parade
TITLE / Mokoondi
LABEL / bubble core
DATE / 2001
TITLE / Mokoondi
LABEL / bubble core
DATE / 2001
2238。以前紹介した盤"Collaborations""All Roads Lead To Salzburg"。インストを楽しむ土壌が日本でも静かに広がりつつあるときに、Mice Pardeといえばその代表的なバンドのひとつとしてとても人気があったし、聞いてみてもなんら間違いがないことで安心感があった。Adam PierceのアナグラムとしてMice Paradeを取り巻くその他のユニット、たとえばHIMやThe Dylan Groupなんかも演奏に比重を置き、一方で音の粒の響きに注意することで、決して横暴に走りすぎることもがない、優しくて野菜のように無害な音楽を発表していた。そこで特徴的なのはヴィブラフォンの使用だったりするわけだし、ローズ的な響きを持つアナログシンセの使用だったりする。気持ちいよいドラムの走り方は、リズムが、ジャズでのドラム・リーダー作ではなく、ポップスにおけるソロパートに値する楽器として前景化する証であった。ぶつかり合わずに楽器たちがそれぞれ主張するこの多重奏は、それなりに多くの人間に不快感なく受け入れられるってのはなんら不思議ではなかった。今聴いても、何だかすごいことが行われているかのような実感がある。それこそ魔法のような。音楽の魔法である。マルチ奏者としてのAdam Pierceの手法たるや、ここまで洗練化された「ポストロ」を実現してしまうという意味では末恐ろしいもので、本当に感服する。人力云々という言葉も、当時隆盛する「トロニカ」を前提におきながら、卓抜な技術を照射する言葉として重要な意味を持った。Pierceさんの周りを固めるのは、これまた卓抜さしかない周辺ドラマーDoug Scharinら。CodeinやJune Of 44(参考1)のメンバーだったDoug Scharinの存在はシカゴ系との架け橋として、そのグルーピングに大きな力を果していることに注意。M4の余裕感はもうひと展開あったら末恐ろしい名曲になっていただろうし、それだけを取り立てる必要はなく、本作全体を満たしている高みの見物っぷりは本当にすごいと思います。現在もゆったりと、無理せず、そしてどういうわけか日本との親和性を大切にしながら活動しているMice Parade、応援しなきゃね。多重録音の賜物とはいえ、ライブみたい。