Pierre Bastien : Pop
ARTIST / Pierre Bastien
TITLE / Pop
LABEL / rephlex
DATE / 2005
TITLE / Pop
LABEL / rephlex
DATE / 2005
2230。以前紹介した盤"Mecanoid"。自作楽器、というか生命を与えられたオートマトンを操るフランスの作家pierre Bastien。2014年現在では60歳を超えるというベテランがrephlexからリリースした本作は、直球タイトルを冠した牧歌的な1枚である。牧歌的である、が先鋭化された時代遅れとでも言うべき手法によって徹底的にアヴァンな立ち位置を確保しているのが不気味だ。しかもだらっとした演奏ではなく、BPMもさほど落とさない機敏さでポップを鳴らすいとおしいオートマトンたちにPierre Bastienの不気味さがひかっている。rephlexからリリースされるというのはそれなりの理由がある。奇天烈さ、ダンス、そしてポップス。電子化された音楽において、物理的な演奏は、空気の振動とは遠いところへと運ばれ、ボタンやつまみによって、音は出力される。その抽象的な接触を、馬鹿らしいほどプリミティブに実演してみせてくれる。演奏するとは何か、オートマトン演奏は、美学的な発想を含んでいるし、それは17世紀だが18世紀だかの自動機械人形にまでさかのぼる。容姿の表象こそないけれど、Peirre Pastienがたたえる生命は、その音自体において、電子音楽的因果関係を実践している。コンセプチュアルとしての楽しみと、牧歌的なクラシカルな響きの共存によって、陳腐な物語の懐は広がる。いや、別に買わなくてもいいけどね。