Cornelius : The First Questioin Award
ARTIST / Cornelius
TITLE /The First Questioin Award
LABEL / ポリスター
DATE / 1994
TITLE /The First Questioin Award
LABEL / ポリスター
DATE / 1994
2180。僕は渋谷系なんて言葉があふれているころには、多分、おそらく、かなりの可能性でもって、ちんたらとした小学校時代を生きていたし、その後の後追いで、ほのかな香りを感じていたことはあっても、そこを丹念に押さえておこうなんて気持ちは微塵もなかった。音楽を聴き始めた頃に、フリッパーズ・ギターなんてものはなくて、ミュージックステーションで、trfに熱狂していた当時の僕にはそんな長ったらしい横文字は覚えることは出来なかった。しかし、鮮明に残る記憶のなかで、小沢健二はアコギを担ぎながら「ラブリー」を歌い、コーネリアスこと小山田圭吾は、ラジカセをオーナメントに「ムーンウォーク」を歌っていたのである。その記憶。本作はそんなコーネリアスによる1st。「太陽は僕の敵」からはじまる、まだまだかつての思い出を引きずっているメランコリーな曲調たちは、現在の彼しか知らない僕たちにとっては、ちょっとした新鮮さを与えてくれる。だらっとした歌え方ではあるが、トロピカルな音のテイストはおそらく渋谷系なるものの幻影を抱えているのだと思う。もちろん渋谷系が形式ではなく、ムーブメントであったというのは言わずもがなであるけれど。それを否定的にとらえるのか、20年近くたとうとする現在において、その系譜のなかでも上級の部類にあたるであろう本作を評価するのかは人それぞれだと思うけれど、そういう視点が設定されるという時点で面白い1枚であるし、ポップスで有る以上は、聴いていて悪い夢を感じるようなことはないだろう。現在は便利な世の中で、ネットではまとめサイトなるものが横行しているから、渋谷系特有の元ネタ(と思われる楽曲)なんかも気軽に参照できる。レコード文化に根ざした剽窃のカルチャーは、その後のJポップの無意識かにしっかりと息づく。そうやって、われわれの世代が出来上がり、そうやって次の世代が出来上がる。