サニーデイ・サービス : 愛と笑いの夜
ARTIST / サニーデイ・サービス
TITLE / 愛と笑いの夜
LABEL / MIDI
DATE / 1997
TITLE / 愛と笑いの夜
LABEL / MIDI
DATE / 1997
2148。以前紹介した盤"東京"。青春の過去盤レビュー。良いタイトルがつけられた3rd。ウォンカーウェイの『天使の涙』を参照したイメージ作りとともに、曽我部さんが失恋したことをモチーフにしているという痛いエピソードも盛り込んで作られています。前作よりも、もう少し時代の要請を受けているのか、サウンドも、70年代リバイバルというよりも、「これがサニーデイ・サービスです」といった風情。良い曲が並ぶが、穏やかささよりも、ぎらぎらした華美さをまとっている。エレキギターがそうぎらぎらしているのだろうか。曽我部さんの公式サイトではなぜか麻生久美子がレビューを書いていて「云々。ずっとずっと聴いていきたい、切なくて温かくて私に必要になったこのアルバム。絶体手放しません」と述べています。へー。ほー。そですか。マジカル感というか、ワンダー感というか、そういうものよりやや真摯で、現実的な作風に振れているという印象。『s/t』『MUGEN』では前者が、『24時』では後者がさらに強くなるというイメージでしょうか。僕はマジカル・ワンダーなサニーデイが好きです。なんだそれ。そんなこんなで、本作ではM2「白い恋人」は最高です。他の曲もすべてシングルカットされたってなんら恥ずかしくない佳作ぞろいですけれど。本当にすごいですね。これは90年代という僕たちの中核をなす同時代パワーなのか。それとも、哲学的にも美学的にも存在しないものとされる普遍的な中心性なのかはわからない。それを確かめるのは、今の10代であり、まだ生まれていない世代なのだろう。僕たちが唱えるたわごとが、愛と笑いに満ちているということが、今後出会わない可能性のほうが高い君たちとも共有できるのかを是非確かめて欲しいです。サニーデイが軽やか過ぎるほど見事に自分たちの音楽の形を提示した名作だということでよろしく。