大森靖子 : 黒歴史再録
ARTIST / 大森靖子
TITLE / 黒歴史再録
LABEL / (diskunion)
DATE / 2013
TITLE / 黒歴史再録
LABEL / (diskunion)
DATE / 2013
2237。以前紹介した盤"絶対少女"。2014年7月7日の川本真琴とのタイバンを前にふわっとした結婚を発表し、ふわっとしてそのままのダサさを保存すると宣言した大森靖子はいつだってどこに行こうとしているのか分からないけど、絶妙の立ち位置で本気で紅白を狙ってほしいと思っているのは僕だけじゃないと思うのだが、それでも2014年になってまだ少しスロットルが低めで来年の紅白はちょっと厳しいかもと危惧していて、がんばれば今年中にMステなんかでタモさんと絡んで、そんときは仕組まれたようなつまらなさでモー娘。14あたりが同時に登壇していて、大森さんが利用してやまない道重さんはそんときにはいるのかいないか分からないけど、それでも周囲を置いてけぼりにするサブカルにすらなれないトークを展開することが目に浮かぶようじゃないか。そうこうしているうちに彼女が「きゅるきゅる」か何かを歌って、世界はごくごく狭い、本当に彼女を中心とする半径1メートルくらいで変化して、「お、おう」という出演者、スタッフ一同に見守られながらテレ朝をあとにする。エイベックスがんばれ。本作は、大森さんが自身の初期音源をもう一度録音しなおした面白い1枚。パフォームすることによることが、つまり歌うことが大森さんのほぼ全ての魅力を形成していることがよくわかる。面白いぐらいに歌詞が入ってこないけれど、大森靖子が歌ってるという現前たる事実のみが耳にこびりついてくれる。腐った擬似サブカル少女の幻想が織り込まれた最高に痛い日常系のポエジーは、その声によってかき消されて何かしらの価値を与えられる。かつてぎりぎり在籍したバンド、空中モランコのEPに収録されている「剃刀ガール」や、『絶対少女』でフルバージョンが収録されている「少女3号」なども収録されていて、彼女の源泉がどの程度の深みがあって、それがどの程度残っているのかドキドキしてしまう。中村一義が『金字塔』で見せた「どこにいる」の見事すぎインタールードとは異次元レベルで違う部屋でのおしゃべりにサブいぼを覚えながらも、それでもどうしようもなく彼女の歌を聴いてしまう。自分自身で自嘲気味にもういいんじゃないかなという大森さん。本当にそのくだらないMCはもういいわと思う。歌えよと。音楽の魔法を信じて歌ってよと。ファンタジーを見せてくれと。現実なんてほんと糞食らえだし、音楽だし。ネットメディアで大森さんを一番?応援しているototoyでは本作の元となる初期音源集『黒歴史』がダウンロード販売されているから、良ければそちらもどうぞ。新譜が出るのが9月。本当にまだ先ですが、どんだけライブするんだというぐらいライブをして地盤固めをしている大森さんがどの位置まで上れるか。ささやかながら応援の花束を。