Polygon Window : Surfing On Sine Waves
ARTIST / Polygon Window
TITLE / Surfing On Sine Waves
LABEL / warp
DATE / 1993
TITLE / Surfing On Sine Waves
LABEL / warp
DATE / 1993
2216。A.Iシリーズの2作目。作家別では1作目。そんないまさらながらな本作。いつ買ったかとか覚えてないけど、僕のライブラリもそろそろ過去盤がつきかけてきているというわけですね。もちろん長らく沈黙しているRichard.D Jamesさまによる実質的なwarpフルデビュー盤。もちろん、このシリーズがwarpという現在は老舗となったレーベルの方向性を決定付けるだけでなく、ジャンルにおける広がりを提示したことは言うまでもない。ジャケットのヒロイックなイメージ、穏やかなサウンドスケープと激しいビートが共存する。なんともいえない高揚感とチル感。フロアベースから、ベッドリスニングまで横断し、とにかく細胞レベルにしゅんでいくその音楽。言わせて見れば、狭い狭い、本当に狭い、音楽の一手法において、現代のモーツアルトなんて異名までとる天才Richardさまがその若かりし感性で書き上げたのだから、今でもきっちりと語り草になっている1枚なわけです。粗暴と洗練の波間に、僕たちは放り出され、そのなかを軽快にサーフィンしている瞬間。2項対立に陥ることなく、アウフハーベンされていくなかに、ポップネスというものは浮遊する。どっちつかずの凡庸さではなく、高めあった上での両極端の遊びなのである。今、本作を若い人たちが聞いて、どのような感想を持つかは分からない。興味があるところだ。なんといってもAiシリーズからもう20年たっている。そんなバカなって話。音楽の趣向、スタイル、技術、その他もろもろが根こそぎひっくり返っていてもおかしくないはずだから。退屈でつまらないもの、という風に聞かれることを願うったりもする。オリジナルを廻る旅のなかで、この辺から何か歴史が始まったのだなぁとという回顧的な聴き方。そういうリスニング状況にあるならば、きっと今でも音楽は刺激的で、進化を続けているはずだから。もちろん僕だって、本作を1回聴いただけでは、多分きっと今とは違う印象を持っていた、と思うし。あるいは、すでにRichardさまにどんはまりしていたっけか。とにかく、電子の波間に身を投じるといその行為を始めるにはもってこいの歴史的な名盤です。