Boxhead Ensemble : The Last Place To Go
ARTIST / Boxhead Ensemble
TITLE / The Last Place To Go
LABEL / atavistic
DATE / 1998
TITLE / The Last Place To Go
LABEL / atavistic
DATE / 1998
1302。以前紹介した盤"Quartets"。シカゴを代表する音楽家の集まりBoxhead Ensembleの2ndあたり。タイトルがなんとも僕ごのみ。流動的な手段なので曲によって参加者が変わってきますが、紹介しておきましょう。シカゴ音楽隊ともいうべきRyan Hembrey(ベース)やFredrick Lonberg-Holm(チェロ)、Ken Vandermark(クラリネット、参考)、Dirty ThreeのJim White(パーカッション)とMick Turner(ギター、メロディカ)、David Grubbs(ギター)、Eleventh Dream DayのRick Rizzo(ギター)、Scott Tuma(ギター、参考)、 Will Oldham(メロディカ、ハーモニカ、ボーカル)、Edith Frost(ボーカル、参考:12) そしてリーダーとつとめるMichael Krassner(キーボード、ミックス、録音、参考)。そのほかにもまだ参加者がいます。とはいえ、まばらに散っていますので各曲はかなり音数は少ないです。ほとんどがフランスやドイツなど欧州で録音されており、全体を通してお高くとまった印象があります。これはBoxhead Ensembleの音楽性かもしれない。つまりインプロっぽい奏法で浮遊感を持たせながら、暴力性を完璧に欠いているのである。非常に柔らかい。日本の雅楽を想起させる。暴力性というのは実はポピュラー音楽の本質のひとつである。生ぬるい大衆論を展開するつもりはないが、暴力は大部分の人々の影に潜み、掻きだされるのを待っているのである。ポピュラー音楽はこの役割を果たすのだ。この盤にはそれが欠如している。そして他の要素であるエロス(恋愛なども含む)もないことは想像ができるだろう。シカゴの音楽家たちが目指す世界とはそのような音世界なのかもしれない。