Scott Tuma : Hard Again
ARTIST / Scott Tuma
TITLE / Hard Again
LABEL / truckstop/atavistic
DATE / 2001
TITLE / Hard Again
LABEL / truckstop/atavistic
DATE / 2001
1246。Boxhead Ensembleにも参加するScott Tumaの作品です。この人はもともと80年代後半からSouled Americanというカントリー系バンドに在籍しrough trade(us)などから何枚か盤を出していたようです。人物相関図を見るとSouled AmericanにはBob Eganという人もいたのだが、この人はその後Freakwater(参考:12)やWilcoといったカントリー系バンドを渡り歩く事になります。でこのScott Tumaのソロ作ですが、これがまた素晴らしいできです。たとえばM4。現在Dirty Threeに在籍するドラマーのJim Whiteの演出する小刻みなリズムをうまく捉え、見事な音響作品に仕上げています。それもこれもギターの使い方が巧みだからなのだと思う。フォークから由来するのであろう牧歌性を讃えながら、見事に前衛的な空間を生成しているのだ。基本的にあらゆる楽器を1人でやっちゃうという変態系ソロパパフォーマの系譜の中にありながらも、どこまでも大人で落ち着いています。がちゃつかない。おそらく大部分がアンプラグドな楽器であるけれども、妙に暖色一辺倒に陥らず、無感情なアンビエント性も兼ね備えており、奥が深い。もしこれにボーカルが乗っていたとするならば、強烈な1枚になっていたかもしれない。すなわちJim O'Rourkeの一連のアメリカーナ作品に匹敵するような、という意味で。もちろん本作だけでも素晴らしい感性によって伝統と前衛が折衷され、新しい形が提示されているといえるのだが。良盤だろう。