Simon Joyner : Hotel Lives
ARTIST / Simon Joyner
TITLE / Hotel Lives
LABEL / truckstop records
DATE / 2001
TITLE / Hotel Lives
LABEL / truckstop records
DATE / 2001
1589。以前紹介した盤"Lost With The Lights On"。本作でもtruckstop特有のミュージシャンシップを見せ付けている。Joynerを支える主軸はWil Hendricks(鍵盤系、ベース)、Glenn Kotche(ドラム系、参考1)、Michael Krassner(ギター、鍵盤系、参考1)、Fred Lonberg-Holm(チェロなど)。他のサポートにはCalifoneのJim Becker(ギター)、Boxhead EnsembleのGerald Dowd(ドラム)、フリー系のGuillermo Gregorio(クラリネット)、Bevel(参考1)ことVia Nuon(ギター)、Mick TurnerとのBonnevillでも知られる名サポーターJessica Billey(声)、Him(参考1)の Matt Schneider(ギター)など。愛されすぎだと思います。 にしてもまさにシンガーソングライターとしていい曲を書いてやろうという意気込みが強い。歌には力がある、とはよくいったものだが、その信仰はすでに希薄になりつつあるから、僕らはどうしてもそのふわっとした何かに触れるべく過去へと遡行しなければならない。悲しい外部記憶装置。いつかは拡張されるかもしれないそれがたくさん埋まっていると思うと、僕たちはそれを探しに行きたくなる。そこに異論はない。そうでないならば、もっと、もっと、現在の作家たちが歌を信じて、たとえそれが妄信だとしても、泣かずに、歌うしかない。日本ではほとんど話題になっていないように思われるSimon Joynerであるが、われわれはそれに触れるべきだと思う。直感的にいって、革新的要素はほとんどないように思われるが、スタンダードという虚妄を信じようと思わせてくれる力がある。力とは、存在論的なものだ。だからこそ、歌モノはポピュラー音楽におけるかけがえのない一形式なのである。