Ultravox! : Systems Of Romance
ARTIST / Ultravox!
TITLE / Systems Of Romance
LABEL / island records
DATE / 1978
TITLE / Systems Of Romance
LABEL / island records
DATE / 1978
1588。「ニューウェーブとはロマンスの時代である」と誰かがいっているはずだ。そしてその一翼を担っているのが本作であるということはいうまでもない。Ultravox!の3rdであり、(もちろん異論もあるだろうが)彼らの最高傑作ともされる。僕にとって、Ultravox!がなぜ重要なのかといえば、時代への関心はもちろんのこと、何よりも敬愛するMetamaticsことLee Norisが敬愛するJohn Foxxが在籍していたからである。本作は彼が在籍した最後の作品としても常に参照される。本作の面子はそのJohn Foxx(ボーカル)、Billy Currie(キーボード、ヴァイオリン)、Warren Cann(ドラム)、Chris Cross(ベース、シンセ)、Robin Simon(ギター)という感じ。それぞれのキャリアは現時点で詳述するゆとりはない。共同プロデの一人にはConny PlankことKonrad Plankが名を連ねている。Plankの存在は、全体的な電子の構築において重要な役割を果たしたのは間違いない。ドイツ的な、といっていいのかどうかは知らないけれど。にしても、想像以上に、なかなかの軽薄さがあって、かつての僕が毛嫌いしたペラペラさが全体に蔓延しているように感じる。エレクトロポップというものを当時の最先端のセンスで体現したのだろうと思われるが、ある意味で無批判な未来世界への憧憬を感じる。歌っている内容はしらないけど。これほどまでに、音にしまりがないと、逆に不安になる。どこまでも時代に規定されているように感じてしまう。本作は70年代という文脈に置かれることによって輝くことは間違いない。現在においてアクチュアリティを感じられるのだろうか。例えば10代の子たちが、本作から引き出すものはあるうのだろうか。不安になる。われわれはもはや「ロマンスの時代」を生きていないのだろうか、と不安になるのだ。そして重要な参照点に<過ぎない>ということで歴史化されるとすれば、それは僕の怠慢として批判されるのだろうか。いずれにせよ、本作が現代の良識あるすべての耳へと与えられることで、僕が看過しているファクターを他声的に反響することを期待しようと思う。偉大なる次の世代へのバトンとして。