伊藤賢治 : Romancing SaGa - Minstrel Song - Original Soundtrack
ARTIST / 伊藤賢治
TITLE / Romancing SaGa - Minstrel Song - Original Soundtrack
LABEL / universal music / square enix
DATE / 2005
TITLE / Romancing SaGa - Minstrel Song - Original Soundtrack
LABEL / universal music / square enix
DATE / 2005
1740。以前紹介したサガシリーズはこちら。オリジナルはこちら。ハードをPS2としてシリーズ2作目。アンサガ以降、実質リメイクしか作られていないサガシリーズ。本作は、システムを含めて大幅に改変され、その抜本的な仕組みつくりとやりこめる要素の拡大によって、「駄作しかないリメイク」という常識を塗り替えたタイトルとなった(と思われる)。僕自身、ハードを持っていないから、やったことはないのですが、プレイ動画は見たことがある。ドット愛好家にとっては殺意しか覚えないポリゴン仕様と、どう考えても無用な(しかし無駄に豪華な声優陣をそろえた)フルボイスに多少げんなりしつつも、自分でやったら面白いのかもしれないと多少なりとも思ったりしました。所有している友人の評価も高かったように思う。さて、そのようなある種のビッグタイトルを彩る音楽はといえば、オリジナルが1枚で収まったにもかかわらず、本作は多数の新曲を含む4枚組。テーマソングはCMでもおなじみ山崎まさよしの「メヌエット」。イトケン好きにとっては歓喜せざるを得ない内容になっている。ただしかし、多勢を締める肯定的な意見に対し、モダニストである僕は、本作がいかにしょうもないかということを主張せざるをえない。音源にオーケストラもふんだんに取り入れて、PS2ならではの、ゲーム音楽を超えたゲーム音楽=ただのBGMという図式をしっかりと満たしている。オリジナルにおける、音源の制限を乗り越えた創造性は、自由自在な、それゆえ、創意工夫の乏しいアレンジによって瓦解している。ちなみにそのアレンジをつとめたのは関戸剛。聖剣伝説4ではイトケンらとともに作曲も行った方です(参考)。バンドも組んでおり、ギターを担当しているとか。そのためか、アレンジではやたらとギターが唸っています。なかには、しかしイトケンの純粋な力量(つまりゲーム音楽から離れるという意味で)をオーケストレーションとともに提示している「死への招待状 - The Battle with Death -」なるトラック(ちなみに、これは本作に否定的な人々の多くが認める曲のよう)もあるように思う。しかしそれにしても、われわれはもっと素晴らしきゲーム音楽とは何かを考えなくてはならないのではないか。そして、実はこのような提言が、当該のゲーム自体をやったことのない糞みたいな僕が言ってしまうということに、自分自身、糞の匂いのする反吐を垂れまくっているということを付記しておきます。結局は、思い入れが大事だ、ということ。