Pele : A Scuttled Bender In A Watery Closet
ARTIST / Pele
TITLE / A Scuttled Bender In A Watery Closet
LABEL / polyvinyl records
DATE / 2009
TITLE / A Scuttled Bender In A Watery Closet
LABEL / polyvinyl records
DATE / 2009
1639。「Peleっていうのがいい」と言い出したLサイドから借りた盤は確かに良かった。素敵レベルが異常に高かった。そんなPeleももう解散してしまい、中核メンバであるJon Muellerと Chris RosenauはCollections Of Colonies Of Bees(参考:12)というプロジェクトへと移行した。Peleというすばらしい響きを持つバンド名を捨て、なぜこんな長ったらしい名前にしたのか。意味がわからない。それはともかく、本作はPeleがコンピやらスプリットやらアナログオンリーやらで残してきた音源をレーベルの垣根を越えて集めた価値のあるものである。1枚目ののっけから疾走するPele節が出ていてニヤニヤが止まらないのは僕だけではないはず。涙が出るのは僕だけかも知れない。そもそもMueller(ドラム)とRosenau(ギター)を中心に盤ごとにいろいろなメンバが入れ替わり立ち代りしていたということを考えると、Peleの魂はまったく瓦解したものではないかもしれないが、COCOBは実験電子的傾向を強めていることを考えると、Pele時代の方がまだ訴求性は高いに違いない。ちなみに本作に名前がクレジットされているのは、先の2者を除けば Matt TennessenとScott Schoenbeckがベース、Jon Minorが電子系統、Scott Beschtaがキーボードという具合。ShoenbeckとBeschtaはjade tree系のバンドThe Promise Ringのメンバでした。Don Caballeroにはない異様なさわやかさが爪弾きギターと軽快なドラムと暖色系の鍵盤と電子のチリ毛によって見事に演出されており、すばらしいことになっています。1枚目だけでおなかいっぱいなわけですけれども、一応本作は2枚組みで、2枚目にはリミックス楽曲が中心的に集っています。因みに1枚目は1998-2000、2枚目は2001-2003と盤面には書いてあります。2枚目で聴けるオリジナルは10曲中、M1とM3とM5のみなので、必ずしもPeleの仕事とはいえないかもしれない。電子処理が強く施された曲が多く並んでいる。まあおまけとして考えればいいのではないか。とにかく、本作がばかげているのは2000枚限定だということくらいなので、あの頃に帰りたい人たちはぜひ早めに買ってくださいませ。