V.A : From The Kitchen Archives No.3 - Amplified: New Music Meets Rock, 1981-1986
ARTIST / V.A
TITLE / From The Kitchen Archives No.3 - Amplified: New Music Meets Rock, 1981-1986
LABEL / orange mountain music
DATE / 2006
TITLE / From The Kitchen Archives No.3 - Amplified: New Music Meets Rock, 1981-1986
LABEL / orange mountain music
DATE / 2006
1027。貴重な音源集です。ニューヨークのKitchenというアート・スペースないしパフォーマンス・スペースにおいて行われたライブの音源をアーカイブしたもので、タイトルに示された年代からある程度の検討がつく思われますが、ノーウェーブ以後の活発でカオティックな作家郡が集められている。M1M2はわれらがSonic Youth。ポップにまだ解消されることのないノイズと衝動にまみれた曲です。非常に名曲です。M3M4はさらにわれらがSwans。以前紹介した盤ではあまり芳しい評価を与えていなかった気がするが、このライブ音源はむちゃくちゃかっこよい。打ちつけられるドラムがストイックすぎて鼻血がでそうになる。M3はBill's Friendsというユニット。チェロにArthur Russell、ボーカルにビデオアートなどを展開したパフォーマーのJill Kroesenなどがいる。おそらくBillというのは文脈上Bill Laswellのことだろう。本人が参加していたのかは謎だが。かなり散漫なアプローチを見せている。M6M7は待ってましたのArthur Russell。恥ずかしながらしっかり聴くのは初めてなのです。チェロとエレクトロニクスを用いた作風はかなり先鋭的であり、80年代のテクスチャを感じさせ得ない斬新さがある。M8は造形芸術家でもあるChristian Marclay。現在も活発に盤をリリースしいている彼の方法論はマテリアルとしてのCDないしLPを使用するということであろう。音のほうもノイズの入ったコラージュサウンドとなっている。M9はtable of the elementからも音源発掘が行われているギター主軸の反復主義者Rhys Chatham。400本のギターのための曲を書くなど切れた試みで知られている彼の音源も面白い。ギター3本にドラマーにはLee Ranaldoとの交流もあるDavid Lintonなどが参加。かっこよすぎるギターとドラムの競演です。基本的にフレーズを繰り返すのだが抜き差しもあるので飽きない。とりのM10を飾るのはニューヨークの地下帝王Elliott Sharp(参考:12)。管弦もろもろを従えて抽象的なフリージャズ的アプローチをしている。らしいといえばらしい。そんなこんなで、おなかいっぱい。満足で充実した歴史的アーカイブですから入門盤としてオススメします。音もけっこういいし。個人的にはSwansがやっぱり想像通りのかっこいい音をやっていたという事実を確認できて満足です。