Swans : Greed / Holy Money
ARTIST / Swans
TITLE / Greed / Holy Money
LABEL / young god / sky reocords
DATE / 1992
TITLE / Greed / Holy Money
LABEL / young god / sky reocords
DATE / 1992
ようやくSwans、このブログにおけるある流れの追求のなかで重要なトポスを占めているバンドであることは首肯できるだろう、Suicide、D.N.A.などのニューヨーク・ノー・ウェーブ、そしてこのSwansを経て、オルタナを準備するSonic Youthといういささか簡単すぎる系譜を措定することに危険があるといえばあるわけだが、とりあえずSwansが大きな重要性を剥ぎ取る必要性はないようである、この盤はそんなSwansの85年から86年にかけて録音された3rdと4thを混ぜた作品である、すでに87年にどちらもSome Bizzareの下部レーベルK.422からCDでリリースされているものがコンパイルされているが、僕が買ったのはSwans自身のレーベルであるyoung godからリリースされたもので、曲もただ2枚に収録されているものをそのままあわせたのではなく、曲数を減らしたり順序を変えたりしているのである程度当時の自分達の理念に叶ったひとつの作品として編集されていると考えられる、young godは最近フリー・フォークというよくわからないムーブメントのなかで大きな役割を演じているらしいが、とにかく第一にSwansの諸作を世に問い直すことが第一義としてとらえられるべきであろう、現在はSwansも従来のメンバが保たれているわけではないけれども、とりあえずこの盤ではMichael Gira自身がプロデを行い、Michael Gira(ボーカル、サンプリング系統、ピアノ、ベース)、Norman Westberg(ギター)、Harry Crosby(ベース)、Algis A. Kizys(ベース)、Jarboe(ボーカル、バックボーカル)、Ronald Gonzalez(ドラム)、Ted Parsons(ドラム)、Ivan Nahem(ドラム)といった布陣が敷かれている、このメンバのいうちWetbergやKizysがFoetus(参考:1)と絡んでいるところからもインダストリアルという必要以上に重苦しく金属性に満ちたサウンドをSwansが旨としていたところが了解できる、個人的な感想をいえば、Swansに期待していたのは、まとまりではなくカオティックな姿勢による「演奏」の否定の延長だったわけであるけれども、そのような期待の地平が是正されたことにも大きな意義のある聴体験だったといえる、個人的な話はさておき、この盤がSwansのキャリアにおいてどの程度重要性を帯びているのかはわからないが、その現在性はFoetusのときに感じたのと同様に、やや80年代のやるせなさによって疑問視されてしまう、その重苦しいビートはある種機械に精神を差し出していくかのような冷徹さを持っているように感じられるわけだが、当時の機械はまだ発展段階の機械であったという側面があったのではないだろうか、もちろんSwansが僕に80年代の時代性を運ぶにとどまっているのは僕の聴が浅いという大きな理由を抱えていることに起因することも事実であり、もう少し腰をすえてSwans周辺を見つめる必要がある、とりあえず今度はSuicideを聴いてから口を開く事にしよう、こんなんじゃだめだ