18th Dye : Done
ARTIST / 18th Dye
TITLE / Done
LABEL / matador
DATE / 1992
TITLE / Done
LABEL / matador
DATE / 1992
久しぶりにひきつけられるようにして手にとった盤、ベルリンにおいて結成された男女三人組によるバンド、ベース・ドラム・ギターという基本セットにボーカルがのるわけである、共同プロデュースに迎えたIain Burgessは80年代Big Blackとの仕事が有名かも知れまい、その意味ではAlbiniとの関係が興味深いところである、実際に18th Dyeは次の盤においてAlbiniをプロデに迎えており、これらのことからこのバンドの音をある程度推し量ることは可能ではないか、92年という時期的にも素敵であり、何か世紀末にかけて何かをやってやろうという同時多発的な革新的作家が次々と作品を発表する活気に満ちた時代である、そんななかでドイツのロック・バンドに何ができるのか、M1から見せる重厚なギターと低くチリチリとした毛玉を帯びたベースは当時時代を開いたシューゲイザーのそれを思わせ、ボーカルもそれに拍車をかけるが、打ち付けるドラムはハンマー性を有しており、コンテクストに縛られるならばドイツの血脈を感じさせる、しかしこのバンドで注目すべきはM2のようなそれぞれの楽器が丹精にビートを刻みながら、そこから滲み出させるソリッドさであるように感じる、つまり広がりを持つシューゲイズ・サウンドと瞬間を切り取るそりディティの融合がこの盤で実現しているのである、にしてもドイツ産のバンドってあまり知らんが本当にドラムの端整さが尋常じゃないな、すごい好き、やはりNeu!らへんからの伝統なのだろうか、1992年に結成され1999年に解散してしまうが、2005年に再結成したという、このバンドはよい時期に産声を上げたわけであるがそれは多産の時代でもある、もう少し早ければその存在感を示し、もう少し時代に有効な傷跡を残す事ができたのではないか、かなりよいバンドであるし、この作品は良盤である