Adrian Wagner : Karming The Elements
ARTIST / Adrian Wagner
TITLE / Karming The Elements
LABEL / the music suite
DATE / 1989
TITLE / Karming The Elements
LABEL / the music suite
DATE / 1989
正直いって、この盤は紹介せずに売ってしまおうと思ったのですが、面白い人物でもあるので一応アリバイ的に紹介しておきます、実はこのAdrian Wagner、この名前を見てピンと来るかもしれませんが、あのワーグナーのひ孫さんらしいのですね、これはまためんどくさい血脈ですね、もう4代離れていると血のほうも大分薄くなっていると思われるが、ある特異点によってその後の家系がある程度の道筋を与えられるというのは一種の幸福でもあり、不幸でもある、この方もその逃れられそうで逃れられない糸に巻き取られ、とうとうイギリスのシンセ・プレイヤーの第一人者としてワーグナーの名を再び世界にとどろかせる事になります、それによってワーグナーのひ孫という枕詞を打ち破るところまで到達する、この盤ではAphex TwinでもおなじみインドのDidgeridooやチェインソーを使い、エキゾチックで反西欧主義的な雰囲気を生み出している、この頃からすでにキーボードにコンピュータを用いるという彼一流の方法によって、当時としてはおそらくかなり先進的な試みが行われていたことが想像される、現在からの体験を告白すれば、妙な高揚感はやや陳腐に響くし、音響的な配慮において個人的な及第点を与える事はできないけれども、多様な文脈のなかに置かれる事によって誰かしらには何か新しい視点が得られるのかもしれない、コンセプトの神秘主義的な様相においても個人的に相容れないものがあるが、機械から自然へのまなざしは常に感化されるべきはない、ちなみにこの盤の収益の10パーセントはこの地球上で生き残るために日夜戦っている人たちのために捧げられる、とのことです、