サニーデイ・サービス : 24時
ARTIST / サニーデイ・サービス
TITLE / 24時
LABEL / midi
DATE / 1998
TITLE / 24時
LABEL / midi
DATE / 1998
2434。久しぶり。1曲目かららしくないほどにドライなシングルカット曲「さよなら!街の恋人たち」から幕を開ける。正直僕は、当時それほど好きな1枚ではなかったし、今も別に好きな1枚ではないだろうなと思っていたけれど、ただサニーデイ・サービスのあまり聞いたことがない曲が並んでいるというだけで価値を持つというレベルに時間がたっているし、音楽を聴いていない現状がある。ドラマーの丸山晴茂さんが2018年5月に他界したときいたときの感情を思えだせない程度に。それでも曾我部さんは今でも素晴らしい音楽を作っているだろうし、田中さんはおいしいラーメンを食べ歩いているのだろう。セルフタイトルをつけた傑作4thのあとに続く1枚ということで、その影響が良い方向に行けばよかったんだろうけど、そうはならなかったんじゃないかと思いつつ、1日の混とんとした状況をまとめましたというような内容に、それって結局、まとめてないってことでしょうと誰かが思った。今やそんな「まとめる」という動詞が音楽に当てはまることはきっとないのだろうけど。M3の「今日を生きよう」はサニーデイのシングルとしては相性が良いが、この曲でショーケースは終わり。後は本当にざらついた曲がじゃぶじゃぶと、しかも長い時間続く。アルバムの尺は80分を超えるという贅沢仕様だ。「月光荘」は原点に返りすぎたかつての歌を歌っているし(いい曲だが)、てかそんな曲が次々と並ぶ。昔のサニーデイ・サービスへと戻っていく、70年代から続くトーナメントの決勝戦、彼らはそれを2ndで終えたはずなのに。だが、当時と今は状況が違ってくる。今聞くと、その結晶、いい曲しか並んでねーんじゃねえのと思えてしまう。もう新しい展開を求めていないのだと脳の衰えを感じてしまう。最後の10分を超える「24時のブルース」で本作は終わる。かと思わせて8cmCDに別入りボートラ「ベイビー、カム・ヒア組曲」も10分超えという。だいぶ参ってたんだろうな。でも、それぞれはいい曲が並んでいると思う。むしろ、10年代の1枚と考えれば、素晴らしい1枚として評価されたかもしれない。でも、もうあのメロウなドラムは鳴らない。