Daniel Johnston : Yip / Jump Music
ARTIST / Daniel Johnston
TITLE / Yip / Jump Music
LABEL / homestead
DATE / 1983 / 1989
TITLE / Yip / Jump Music
LABEL / homestead
DATE / 1983 / 1989
2429。以前紹介した関連盤"It's Spooky"。Daniel Johnstonの初期音源のリイシュー。5thくらいらしい。時代の下支えをしたhomesteadらしい仕事といえる。われらが83年の4月と5月に録音され、カセットテープでばらまかれた本作は、その数年後にUSのメインストリームまで食い込むまでに巨大化した。そしてCobainは死んだわけだ。彼は、本作を自身が選ぶアルバムベスト50のなかの35位に位置付けている。ぺらっぺらの演奏に、妙に高音じみたボーカルがへろへろと歌を続けている。今日では、音楽を始めたての素人だってこのようなチープなつくりでトライしようとは思わないと思う。しかし、その旋律には、その後に僕たちの音楽となる偉大なるUS音楽の原型がばらまかれているというわけだ。泣けてくるだろう。その魅力にあらがえずに、Yo La TengoやThe PastelsはM4のカバーかぶりをしてしまったりする。恥ずかしいね。でも、それが素敵だな。一度聞けば耳にこびりつく天才的なポップス職人の1枚、というには売れてない。でも、圧倒的に刺さる何かがあれば歌と楽器一本で、世界が変わるゼロ度となる可能性だってあるという、そんな若気の話。もちろん、Johnstonをゼロ度というには無理があるわけで、結局彼が2曲目で歌っているThe Beatlesなんかにどんどん遡行していくわけだけど。がコード・オルガンを初めて使ったのも本作。チープさを過剰化するのに力を貸している。名盤。ちなみに90年代以降の一連のJohnston再評価の流れの中で、本作も膨大な諸作同様きちんとeternal yip eye musicから2007年にCD化されています。