Christian Marclay : More Encores
ARTIST / Christian Marclay
TITLE / More Encores
LABEL / no man's land / ReR
DATE / 1989 / 1997
TITLE / More Encores
LABEL / no man's land / ReR
DATE / 1989 / 1997
2430。recommended musicに端を発するいわゆるレコメン系。そのno man's landから10インチでリリースされたものが、流れをくむReRからリイシューされたという形、だと思う。レコメン系は結局深く探ることなく、放置されているけどま、そんなもんですね。だからあってるかわからない。目下飾られる音楽家としてレコードを使ったインスタレーションを展開する通称ターンテーブル奏者Christian Marclayさんによる仕事。M1から毎年信念に実家で父親が聴くJohan Straussの'An der schönen, blauen Donau'(「美しく青きドナウ」)の旋律が耳に届くと、そこから一気にごちゃごちゃと展開して言うことになります。それぞれの曲名には、おそらく使用したであろう音源のオリジネーターたちの名前が使われている。Straussに始まり、John Zorn、アメリカのピアニストMartin Denny、Fredric Chopin、Fred Frith、Louis Armstrong、ピアノデュオArthur Ferrante&Louis Teicher、John Cage、Maria Callas、Jimi Hendrix、1968年の映画『スローガン』で競演し親密となったJane birkinとSerge Gainsbourg、そして最後に自身の名前Christian Marclay。古今東西のジャンルレスな布陣に、Marclayのどや顔としてやったり感が漂っています。まさに「文化的」な文脈のなかで成立する脱構築演奏といえるでしょう。してやったりだ。背景も何もぶっ飛ばしてそのコラージュに耳を凝らすにはなかなか難しい部分があるけれど、このようなアプローチがコンセプチュアルに飾られる時代を経て、今や音楽は終わった。