簗田裕之 : ラストバイブルIII サウンドトラック
ARTIST / 簗田裕之
TITLE / ラストバイブルIII サウンドトラック
LABEL / supersweep
DATE / 2011
TITLE / ラストバイブルIII サウンドトラック
LABEL / supersweep
DATE / 2011
2432。以前紹介した関連盤"女神転生外伝ラストバイブルII サウンドトラック"。アトラスの名作アルバムを復刻するという当時の謎プロジェクトゲームミュージックディスカバリーシリーズの1枚。帯の文句いわく、「シリーズ最高傑作と誉れ高い、スーパーファミコン版サウンドトラック」「初CD化となるオリジナル・SFC音源を実機から収録!」とのこと。女神転生外伝は本家のナンバリングその他と違って当時のドラクエなどと同じ俯瞰型2DフィールドタイプのRPGということで、探索型がややWizからの系譜をひっぱる大人な香りがする一方で、外伝はUIがお子様でもとっっくみやすくなっておりと、IとIIがゲームボーイでリリースされたということで、お子様にきちんと届くまさに誉れ高い傑作RPGです。ええ。いうまでもなく。とはいえ、SFCで最新作を出されると、ゲームボーイしか許されていなかった僕には手の届かないものでして、1995年にタイトルがリリースされても未プレイのまま現在に至ります。てかその時代ゆえに、かなり不遇な1作だったといえるでしょう。同年にリリースされたその他タイトルには、クロノトリガー、ドラゴンクエスト6、聖剣伝説3、ロマンシングサガ3、テイルズオブファンタジア、フロントミッション、タクティクスオウガ、スーパードンキーコング2、メタルマックスリターンズ、エストポリス伝記2、天地創造、、、、と音楽も含めてSFCの頂点を諸作がそろっていたわけですから。これは相手が悪すぎた。ただ、一応プレイ動画は大学生のころ通しで見たことがあり、噛み応えのあるストーリーでラストバイブル節が効いた仕上がりだった(と記憶している)。音楽にしてもそうで、前作に続き簗田さん作曲のプログレ展開な楽曲はブシ感満載で、ラストバイブルの世界に華を添えている。前作のフレーズを隠しこませるなどの遊び心もあり、音楽を聴くだけでラストバイブルとわかる仕上がりはさすがでしょう。GBからSFCへ。ゲーム音楽の創造の根源である制限から解き放たれ、サンプリングによる音色の追加も可能になり、8音同時にならすことができるということで、ハードコアなチップチューンを楽しむことはできなくなっています。それゆえ、今聴くと、ただの安っぽいシンセ音楽に聞こえてしまうこともあるかもしれません。そこは、作曲家が向き合ってきたシリーズの世界感への理解でカバーするといったところでしょうか。外伝シリーズは本作で最後、女神転生もソシャゲへと展開をはじめ、もうしばらくしたら、ポケモンGOのような実世界とのリンクを果たすことでしょう。ファンもきっとそれを望んでいるに違いない。とはいえ、据え置き機その他でも力を入れて展開してほしいものです。外伝IV、待ってる人もいるでしょう。いないか。