The Breeders : Last Splash
ARTIST / The Breeders
TITLE / Last Splash
LABEL / 4ad
DATE / 1993
TITLE / Last Splash
LABEL / 4ad
DATE / 1993
1806。以前紹介した盤"Pod"。前作から結構な面子を入れ替えた2nd。主要メンバであったTanya Donellyは抜け、Kimの双子の姉妹Kellyがメインギタリストとして参加。Kellyは当時、ほとんどギターが弾けなかったというところが大切。Shannon DoughtonことBritt Walfordは以外にも適度な名声を獲得してしまったThe Breedersのレッテルから逃亡するかのように脱退し、変わってJim MacPhersonというかたが参入。プロデ録音はAlbini先生に代わってMark Freegardという人になります。もはや4adの当初の検討から外れたかのように見えて、Kim Dealのやりたい芯はそれほどぶれずにゴリッと作られた本作。に加えて、前作でもそうだが、時にマイブラ的な雰囲気を提示したりする。Kimさんが志向する部分というのが、明確にThe Pixiesとは異なるということがはっきりするのは言うまでもない。もはやこの頃にはthe Pixiesは休止しており、時代はグランジへと、まさしく90年代へと移っていた。Kimさんのポエジーがサマータイムな美メロをそれまでどれほど生み出してきたのかは知らないけれども、The Breedersはめっきりガーリーな精神を発揮し(特に本作ではそう)、女子バンド感が半端ねー気がする。このときもやっぱり男子はドラム1人。その体制がこだわりなのか偶然なのか云々するつもりはないし、こだわりとしても、その構成をバンド名やらジェンダー構造から云々するつもりはない。しかしThe Breedersが飛翔した(あるいは堕落した)境地というのは、Albini先生的なガチのマッチョイズムを脱退し、なんともこぎれいでフェミニンであることを認めた上での90年代ロックなのであった。代表曲であるM2'Canonball'のPVはSpike JonzeとKim Gordonがディレクションをしたという。確かに転がるボールがSpikeさんっぽい。愛されバンド、それがThe Breeders。舐めんなチャットモンチー。