Herbie Hancock : Head Hunters
ARTIST /Herbie Hancock
TITLE / Head Hunters
LABEL / columbia
DATE / 1973
TITLE / Head Hunters
LABEL / columbia
DATE / 1973
1807。いきなりのグルーブ感で、ただジャケが有名なだけの盤ではないことが分かる。Herbie Hancock(鍵盤関係)によって集められたのはBill Summers(パーカ類)、Harvey Mason(ドラム)、Paul Jackson(マリンバ、ベース)、Bennie Maupin(サックス類、フルートとか)。それまでに獲得していたジャズピアニストとしての名声を棚に上げ下げするかのように、大胆にシンセなどの電子楽器を持ってきて、ファンクなビートでぶっちぎった記念碑的な1枚である。73年といえば、Sly & The Family Stoneが暴動を起こした上で"Fresh"をぶち上げた年(それをあわしているのかどうかは知らないが、M3のタイトルは'Sly'である)。エレクトリックという革新がジャズに許されたのは、もちろんHancockも呼び出された経験があるMilesの次の話によるわけだが、このどうしようもないファンクネスというのも一大潮流となってMilesを巻き込みながらジャズを侵犯し始めるわけだ(どちらが、あるいは誰が先鞭をつけたかは知らん)。15分にも及ぶ名曲M1'Chameleon'は先述したように、異様なグルーブ感でスタートする。しかしそれはただの序章に置かれる驚愕であった。曲は中間まで進んだかとおもうと、メンバたちの壮絶かつ端正すぎる煽り合いが始まる。Hancockは置くとして、とにかくMasonとJacksonのリズム隊がすげえ。M2は"Takin' Off"に収録されている'Watermelon Man'のファンク解釈。少々単調で退屈かもしれない。しかし10分に及ぶ先述したM3で再びフュージョンちっくに遊び始める。そしてM4ではまたしっぽりと退屈に落とし込む。というかM1M3が凶暴すぎるから、相対的に強弱が出てしまうのは仕方ないのかもしれないな。その宗教観が、音楽とは離れたあらぬところで眼差されるHerbie Hancockですが(実は楽曲にも反映されている模様)、そんなことは置いておいて、この盤は聴いとくべきだろうし。