Jeff Hanson : Madam Owl
ARTIST / Jeff Hanson
TITLE / Madam Owl
LABEL / kill rock stars
DATE / 2008
TITLE / Madam Owl
LABEL / kill rock stars
DATE / 2008
1742。以前紹介した盤"S/T"。なんということだろうか。俺は、何をしていたんだろうか。本作を買ったのは2008年のクリスマスイブ(ということが、草稿の日時からわかる)。その後、レビューの機を逸し、盤はどこかへ紛れ込んだままだった。何度か探したけれど、ライブラリーからは見つからなかった。たまに、新譜がリリースされていないか検索をかける比較的マイナな作家たちのなかにしっかりと含まれている1人だったJeff Hanson。つい一週間ほど前も検索した記憶がある。しかし、俺は知らなかった。そして、先日のLサイドのレビューにおいて、彼がすでに死んでいることを知った。しかも、2009年の、6月5日に。そう、2年前の今日に。はるかなる過去。彼は、薬物の過剰摂取によって、この世を去った。事故なのか、自殺なのか、当局にも分からずじまいだったらしい。まるで彼のように。そう、同じレーベルに属し、その旋律を引き継いだとさえいわれたElliott Smithのように。その類似性を云々するつもりはない。ひとつの悲しさがある。われわれは、愛するウタモノのひとつを失った。その喪失感の去来が、われわれを深く嘆息させる。そう、本作は、偉大なるシンガーソングライターの3rdであり、遺作となった。いくら待っても、彼が新作をリリースすることはない。いくら待っても。そりゃそうだった。いや、それまで3年おきにリリースしてきたから、もし4thがあるなら、今年だったはずで、その魔法に似た法則を僕は信じていた。しかし、天使の歌声を称された彼の声は数少ない盤のなかに過去としてのみ残された。それで、終わり。それ以上はない。本作では、多くの有機的な楽器たちをしっかりと従えて、その声を十分に活かし、響かせている。素晴らしいトータリティ。もはや旋律は、あまりにも境遇の似通った人物からは一歩進み、Jeff Hanson自身の流れを感じさせる。ここまで来たのに。このレビューを書きながら、M6が流れて不覚にも涙ぐんだ。僕は、あなたのことを、これからはずっと覚えているから。