Unsane : Singles 89-92
ARTIST / Unsane
TITLE / Singles 89-92
LABEL / matador
DATE / 1992
TITLE / Singles 89-92
LABEL / matador
DATE / 1992
1633。以前紹介した盤"Lambhouse"未発表曲を含む当時のシングルベスト。当該の未発表曲はM13でミックスにWharton Tiersが参加しています。Sonic Youthが移籍したmatadorからのリリースというのも興味深い符号と思いませんか。Pete Shore(ベース)、Charlie Ondras(ドラム)、Chris Spencer(ボーカル、ギター)という初期メンバでの音源を楽しむ事ができます。かっけーの一言に尽きます。時代は3ピースであることが、伝説への必要条件とさえ思われていた頃。Unsaneも例外でなく、ハードコアでノイジーな音をぶち鳴らしていました。ドラムはたたきつけ、ボーカルは血反吐をまとい、ベースは地を這い、ギターは抽象的に轟音を鳴らす。その後ドラッグであの世へ旅立つOndrasのドラムをはじめとして、全体の演奏は決してうまいとはいえないかもしれない。しかしそれらは徐々に向上していき、強い意思が響きはじめる。ニューヨークで、すでに成熟した地下音楽の系譜が成立している街で、シアトル(やらシカゴやら)でうごめく3ピースにどのように対抗していくのか。Unsaneは決してメインストリームに取り込まれるような手法で攻めようとしなかったと思うが(ジャケ写がバンド全体を方向付けてしまう)、それでもこの熱量は偉大なるバンドたちと並べて検討されるべきだと僕は思う。なにはともあれかっこいいですよ。M9'Bbloody Boy'のトリップ感覚は本作の白眉。ボートラのM13はそのロングバージョンとなっている。