Drunk : Tableside Manners
ARTIST / Drunk
TITLE / Tableside Manners
LABEL /jagjaguwar
DATE / 2000
TITLE / Tableside Manners
LABEL /jagjaguwar
DATE / 2000
1574。以前レビューした盤"A Derby Spiritual"。スロウというけだるさを付着させていると個人的には感じていたDrunkですが、この4thではそれはもはや過去の話といわんばかりにきびきびしている。M1のイントロからしてちょっとびっくりしてしまうでしょう。しかしそうなったらそうなったでRick Alversonによるボーカルが異質に響いてしまう印象も出てくるわけで。甘すぎるんですね。とはいえ全体的に枯れた処理がなされていますが、音響的にもメリハリがあって軽やかに磨きだされている。過去作は過去でスローコアなるものの形式美に沿った充実があったが、本作ではそこから見事な昇華を見せているのではないでしょうか。全体的に音響系の作品群を経過していることをはっきりと匂わせている。Alversonの曲書きとしての能力も際立つ結果となっているように思う。斬新さはないがアップデートはされているといえるのではないでしょうか。M4なんかはかつてのDrunkらしい伝統的とさえいえるスタイルによる楽曲であるけれども、構成はかつてに比べてはるかにオルタナティブになっているように思います。かなりいい曲も多いし、適切に文脈化されていれば非常に重要なバンドとして名前を残せたであろうに。現在Alversonが従事するSpokane(参考:1)がもう少し成功すれば、遥かにこちらのバンドがよかったということが際立つのではないか。残念なバンドである。にしてもわれわれにとって00年代の盤というのは常に先進性を背負っていたわけだが、本作などはもはや9年近く前になるという事実に絶望してしまうね。駄目ですね、もう。