Gang Starr : Daily Operation
ARTIST / Gang Starr
TITLE / Daily Operation
LABEL / chrystalis records
DATE / 1992
TITLE / Daily Operation
LABEL / chrystalis records
DATE / 1992
1575。以前紹介した盤"Moment Of Truth"。3rdです。まさにこっから俺たちのターンと言わんばかりに90年代のヒップホップに致命的な楔を打ち込んだ盤とされます。もちろんヒップホップを転覆させたわけではないですが。本作が発表されることで、いわゆるジャジーヒップホップなるものが一気に前景化したらしいです。人種的なこと本質主義的に口にするのは大嫌いですけれども、ジャズとヒップホップというのはそもそもブラックカルチャーとして相性がよかったのかもしれません。DJ Premierが切り刻んで土台となるビートが構築されていますが、その暖色っぷりが心地よくインテリゲンチャなギャングのイメージを喚起してくれます。ベースが効いているといっても良いかもしれませんが。Guruは本作でも主張し過ぎない端正なラップを乗せており、コーヒーにタバコといった趣があります。ここでコーヒーを想起するところにいろいろな問題が含まれているなぁ、と頭によぎることが根底的問題なんでしょうが。キャッチーにリフレインされる装飾も嫌味でなく、苦味をより整える役割を果たしているように思います。一方で、華美さの欠如は平板化された耳たちには、そのまま立て板に水な事態となり、下手すると退屈に響くのではないかという考えが一瞬ちらつきます。ヒップホップが好きな人ならば、そしてそこにシャレオツな何かを見出したい人ならば、必ず聞き込まなければならない名盤ですけれども、無垢なパンピーに第一位として提示するにはいくばくか躊躇すべきだと思われます。そろそろGuruのJazzmatazzシリーズが聴きたいなーと思うそんな今日この頃。