The Slits : Y3LP - The Official Bootleg
ARTIST / The Slits
TITLE / Y3LP - The Official Bootleg
LABEL / y records(rough trade) / victor
DATE / 1980 / 2008
TITLE / Y3LP - The Official Bootleg
LABEL / y records(rough trade) / victor
DATE / 1980 / 2008
1557。世界初CD化。帯いわく「自由、奔放、しなやかにしてしたたか」。オリジナルは無題です。Y3LPとは、y recordsのカタ番に由来しているのでしょう。2005年にThe Pop Groupの諸作を中心とするy records紙ジャケリイシューの1枚を占める予定でしたがご存知のようにその企画は頓挫していまっており、2008年の今になってようやくその一部が実現したというわけですね。ジャケデザインから分かるように、The Pop Groupの"We Are Time!"(参考:1)と対を成すような盤でして、デモやらジャム音源やらをかき集めてからっと油で揚げて見ました(がおいしく食べられるか保障しかねます)という内容ですね。The Slitsの場合も、本来ならば1stの"Cut"を先に取り上げるのが筋だと思うのですが、いかんせん持っていないもので。ガールズパンクバンドとしては、結構な境地にまで言っていたと思いますし、The Pop GroupのBruce Smithなんかがバンドに参加したりすることで、ネットワークもつながり、y軍団の周辺バンドとして重要な位置を与えられているような気もする。なんにせよ、女性が強くなろうとした時代において、必要以上に女性性からの脱却が図られていることにより、逆に生々しさを獲得しているようなバンドである。音質などが決してよろしくなく、rough tradeがy recordsに丸投げしたという経緯もあるようなので、どこまで自分の耳を預けていいのか不明ですけれども、本作を聴いている限り、結構シンプルに70年代パンクをやっている場合もあれば、非常に複雑なこと、ダブついたことなどをやろうとして試行錯誤している感じも浮かび上がってくる。衝動だけではやっていけないということを、明らかに彼女たちは理解していたのでしょう。個人的にはそのゆなもがきには敬意を評する人間ですので、The Slitsに対しても大いに好感をもてました。とあいえ、盤の企画としては、もう少し聴かせようとするべきだったと思いますね。ちょっと前に再結成も果たしました。