Pigbag : Lend An Ear
ARTIST / Pigbag
TITLE / Lend An Ear
LABEL / y records(rough trade) / victor
DATE / 1983 / 2008
TITLE / Lend An Ear
LABEL / y records(rough trade) / victor
DATE / 1983 / 2008
1556。2nd。世界初CD化。帯いわく「君と踊りあかそう日の出を見るまで」。本来ならば1stをまずもってレビューすべきなんでしょうけれども、まあそこはそれとして。今年も過去の遺産がモノとして消費されたわけで、2008年が終わる前にその何枚かをレビューする予定ですが、本作はまずまずの目玉だったと思います。The Pop Groupの諸作を中心にy recordsの盤をリイシューするという話が2005年にばっと広がりましたが、ご承知のようにその企画は一瞬で立ち消えとなりました。しかし本作をはじめ企画に含まれていたThe Slitsの盤とMaximum Joyの盤はちゃんと2008年に発売されました。後者はvictorからではなくbeat recordsからでしたが。結局リイシューでぐちぐち言っているのは、The Pop Groupの内部事情が泥沼化しているからなんでしょうね。まあそれはいいですが。PigbagはThe Pop GroupのベーシストSimon Underwoodを中心としたユニットですね。Simonは最後までThe Pop Groupに在籍していたわけではなく、早々にDan Catsisと入れ替わったわけですけれども、Pigbagは一応のところThe Pop Groupから派生したバンドとして認知されているように思います。1stはもっぱらインストでぐいんぐいんやってたみたいですけれども、本作ではAngela Jaegerというかたによるボーカルが採用されており、顕著な旋律に解消されているという点で、聴き易い内容となっているようです。ちなみにSimonとAngelaは1983年に結婚したみたいですね。今も続いているのかは知りませんが。The Pop Groupも層でしたが、当時のブリストル界隈で重要なのは、新しいビートの導入だったわけで、Simonがベーシストだったこともあってか、本作で見られる結構なグルーブは腰にきます。ライナーノーツを書いているのは音楽評論家の高橋健太郎さんなんですが、彼の記述をみていると、本作がいかにクラブ映えするかが説明されています。字ジャム、ジャズ、ファンクなどなどのワードを散りばめながら、本作のうねるビートを形容しようとしているわけですね。PigbagのビートはThe Pop Groupなどのように、沈む暗さというよりも、非常に熱帯な陽気さが潜んでいるので、きわめてポジティブに感じます。ジャケを見ても陽気な感じは伝わると思いますけどね。しかしときにブラス系が不穏な演出をしたりするから、なかなか一筋縄ではいかない豊潤さを秘めていることが分かる。いい盤ですね。リイシューされてしかるべきとでもいいますか。1stはbmgとかからリイシューされていて入手が容易なので、そのうち手に入れます。