Flanger : Midnight Sound
ARTIST / Flanger
TITLE / Midnight Sound
LABEL / ntone(ninja tune)
DATE /2000
TITLE / Midnight Sound
LABEL / ntone(ninja tune)
DATE /2000
1537。以前紹介した盤"Templates"。2nd。夢の競演再び。Atom HeartことUwe ShcmidtとBurnt Friedmanによるユニットですね。M1の入りが妙に穏やかなので、少し心配しましたが、M2からはしっかりときらめきサウンド全開で攻めてきます。本作のタイトルにあるように、やっぱりちょい苦で、ビロード系、身体のラインが出る背中だしの赤ドレスでどうぞ、という感じです。都会的で洗練された夜を演出したいあなたに、というコピー。一方でちょっとしたトリックが潜んでいたりもするからにくい。微ノイズが配置されていたりするわけです。やっぱり初期Squarepuhserを想起してしまいますね。本作も1st同様、2007年に出た"Nuclear Jazz"にエディットされて収録されているので、1stと2ndでニコイチに把握しても良さそうです。2ndにいたるとよりジャズな印象が強くなっているようですけれども、それと同時にラテンフレイバも熱い風として湧き出ていますね。エレピ、ヴィヴラフォン、ベースなどを素晴らしく弾きこなすAtom Heartは、本当に真のミュージシャンであると感じます。M5では静謐ながらジャズの歴史に革命をもたらしたとされるMiles Davidの'So What'がカバーされ、モダンジャズの第一歩への言及を見せている。この辺は大変いやらしいですね。未来志向と過去の参照という現代アートによくある趣向です。これもまた、ボードレールのいう現代性に通じているのでしょうか、それとも単なる一種の剽窃としてポストモダンに押し込めてしまうのか。なかなか難しい問題です。何はともあれ、本作もさすがFlangerといったところの名作でしょうね。名曲ぞろいです。