Toshimaru Nakamura & Sachiko M : Un
ARTIST / Toshimaru Nakamura & Sachiko M
TITLE / Un
LABEL /meme
DATE / 1998
TITLE / Un
LABEL /meme
DATE / 1998
1512。日本を代表する実験電子の前衛にましましている御二方のコラボ盤。例のごとく真っ白なジャケ。曲にはすべてunという接頭辞がついた受身形で記述されています。ふーん。Toshimaru Nakamura(中村としまる)さんのほうはJason KahnとのユニットであるRepeatの諸作(参考:12)で言及しましたけれども、Sachiko M(松原幸子)さんの方はこれまでほぼヌルーしてきました。簡単に説明しますと(いうまでもないことかもしれませんが)大友良英さん周辺の作家として1994年からGround Zeroに参加、その後も彼のバンドに関わっていますし、grobなどからいろんな人とのコラボ盤をリリースしています。ソロ作よりもコラボ盤のほうが多いでしょうね。これは中村さんのほうにもいえることです。そもそも彼らが採用する発音スタイルのために、単体よりもコラボのほうが起伏がある演奏ができるということなのかもしれません。素人なのでよくわかりませんが、headzのサイトにおける説明によれば中村さんは「外部音源を用いず、ミキサー内部のフィードバックのみをコントロールして演奏する」らしく、松原さんは「サンプラー内部に内蔵されたサインウエーヴのみを演奏する」らしい。へー。音圧はかなり低く、微弱電子の交わりを聴取するわけですけれども、なんとなくの印象ですがmemeの諸作はそういう表層的な面で地味なものが多いように思います。だからどうだというわけではないですけど。・・・いや、しいて挙げれば、どういう傾向性の人間に捧げられているのかと。あるいは、シーンとしてどういう風に「展開」させるつもりだったのか、と。「発展」とはいいません。そのような進歩史観はおそらく根底から否定されるような文脈にあるでしょうから。まあmemeはなんとなく買っちゃう数少なく日本のレーベルなんですけどね。