Steamboat Switzerland : Budapest
ARTIST / Steamboat Switzerland
TITLE / Budapest
LABEL / grob
DATE / 2001
TITLE / Budapest
LABEL / grob
DATE / 2001
1427。以前紹介した盤"AC/DB (Hayden) ""Wertmüller"。本作はSteamboat Switzerlandがgrobから"AC/DB"と同時にリリースした盤です。両作にボーナスつけたボックスも200セット限定でリリースされました。プロデュースは自身も70年代からフリー電子の文脈に身を置きながらリリースを重ねているベテランStephan Wittwerです。全8曲でM2からM7までが1999年秋にブタペストで行われたライブ音源となっている。本作は実質ライブ盤という理解でいいのでしょう。それが関係して、よりインプロうな景色が強まっているように感じます。つまりこのバンドのフリーな部分を本作が担っているのでしょう。カクイイー。担当楽器を見る限りでは、本作でもギターレスなわけで、いわゆるロックバンド的な要素の大部分が希薄に感じられます。しかしSteamboat Switzerlandが掲げるのは、インプロいジャズというよりも、ロックとしての新しい形式なんだろうと思います。なぜならインプロながら非常に明解であり、多少ながらもとっつきやすい印象を持つからです。ロックという語は非常に難しい用語で、具体的事象からのみ構成されるグループ概念です。結局は当事者たちの態度の問題であると、僕などは考えていますが、それを方向付けるのはどうしても社会的な通念に鳴ります。ポピュラー音楽全体を傾向付ける大衆性からは特殊化された大衆性がきな問題のひとつとして挙げられると思います。パンクはよりそれが先鋭化していると感じますが。つまらなくいえば、迎合的大衆性というより反抗的大衆性とでも言いますか。ま、どうでもいい話です。本作は単純に卓抜に磨かれた演奏を聴くだけでも価値があるでしょうし。