Steamboat Switzerland : Wertmüller
ARTIST / Steamboat Switzerland
TITLE / Wertmüller
LABEL / grob
DATE / 2005
TITLE / Wertmüller
LABEL / grob
DATE / 2005
1125。以前紹介した盤"AC/DB (Hayden)"。Dominik Blum(鍵盤系)、Lucas Niggli(ドラム)、 Marino Pliakas(ベース)の3人からなるSteamboat Switzerland。彼らのgrobからおそらく3作目となるのが本作。今回もがっつりと込み入った演奏が展開されています。とくにDominik Blumの電子オルガン的な旋律が印象的であり、作品の色を決定しているようである。リズム隊の太さは健在で、そこにまるでノイズ楽器のような鍵盤の演奏が加わることによって、通常のピアノトリオなどとは一線を画す音を作り出しています。ボーカルも入っているが、メロディをつむぐためのものというよりは、プログレによく見られる奇抜な演奏に寄り添うようなボーカルであるから、歌モノとすることはできない。それにしても妙な音階で構築された曲が多い。文法がいまいちわからないけれども、プログレ感を存分に演出している。なんか知らんが聞き耳を立ててしまうという感じか。決して前衛過ぎることなく、たまに一歩引いて俯瞰することができているのかもしれない。不穏な空気が漂ようなかで、ドイツ語らしき空気の抜ける音が恐怖を高めていく。逃げ出したくなるかもしれない。きわめて技巧的でありながら、ジャズともなんともつかないものを展開するこのトリオが今後どのように展開していくのかが注目される。一皮向けることは、どのような人間にもすべて要求される変化なのである。