V.A : Kill Rock Stars
ARTIST / V.A
TITLE / Kill Rock Stars
LABEL / kill rock stars
DATE / 1991
TITLE / Kill Rock Stars
LABEL / kill rock stars
DATE / 1991
1299。レーベルのmyspace。この盤はワシントンはオリンピアで1991年の8月に開催されたThe International Pop Underground Conventionに参加した人々、あるいは「ロック発祥の地」と記されているオリンピア出身者の楽曲を集めたコンピです。主催はsound out northwestというところとk recordsだったようで、参加者もkがらみが多い。僕はCD盤を買ったんですが、LPよりも以下の参加者が4組増えています。Heaves To Betsy、Steve Fisk、7 Year Bitch、Kreviss。本作がおそらくkill rock starsの初めてのコンピなのでしょう。カタ番はkrs-201となっている。タイトルもずばりですし。企画的には面白いと思います何よりもNirvanaが参加していいる所に注目したい。ときは"Never Minad"をリリースした時期と重なりますね。ライナーを書いているCardice Pedersenによれば、この盤に参加しているバンドはパンクロックの未来を信じているそうです。グランジではなく、より包括的な用語としてパンクロックはまだまだ存続していく、という。そしてライナーは「Fuck alternative」という言葉で締めくくられており、このコンピにおけるパンク性の継承が商用されるのである。オルタナという90年代を闊歩する現象からの逸脱というのは視座としては新しい。つまり、何も変わっていないんだ、ということでしょうか。あとThe International Pop Underground ConventionというタイトルにおけるPopとUndergroundの共存関係も見過ごしてはいけない。非常に弁証法的な響きがある。そこにはまさにNirvanaの響きがあるのだ。さて、他の参加者にも目配せしておく必要があると思うので先の5組を除いてざっと。Bratmobile、Some Velvet Sidewalk、Courtney Love(カートの未亡人ではありません、ユニット名です)、The Nation Of Ulysses(参考:1)、Unwound、Mecca Normal、Bikini Kill、Witchy Poo、Melvins、Infamous Menagerie、Kicking Giant、Ffitz Of Depression、Jad Fair。やはりThe Nation Of Ulysees、Unwound、Nirvanaあたりは直球で硬い。あとはSteve Fiskの打ち込みもどきやFiskがメンバの1人であるWitchy Pooのインダストリアル風味、あるいは1/2 Japaneseのメンバである奇天烈戦士Jad Fairのマジカルポップあたりが面白い。速さを求めるハードコアタイプも散見され、全体を通すと一般的な形式としてのパンクと必ずしも一致しないと感じるかもしれないが、忘れてはいけないのは、パンクは精神だということである。歴史的にも、試みとしてもなかなか面白い1枚でした。