The Nation Of Ulysses : Plays Pretty For Baby
ARTIST / The Nation Of Ulysses
TITLE / Plays Pretty For Baby
LABEL / discord
DATE / 1992
TITLE / Plays Pretty For Baby
LABEL / discord
DATE / 1992
1033。やはりこの頃のdiscordはいい!何がいいって、かっこいい!何買っても多分間違えないのではないか。ベースにSteve Gamboa、ドラムにJames Canty、ギターに Steve KronerとTim Green、ボーカル兼トランペットにIan Svenoniusという5人体制。その後Ian Svenonius、James Canty、Steve Gamboaの3人はThe Make-Upというバンドに移行します。Tim GreenはThe Fucking Champsのメンバでありプロデュース作業にも精を出しているようです。もちろんこの盤もエンジニアにDon Zientara、プロデューサにIan Mackayeを迎えておりますから内耳に響くわけですね。この盤は2ndになります。昨今のポピュラー音楽研究においても、パンクではなくハードコア史のようなものが注目されてきていることもありますが、このバンドもその系譜のなかに位置づけられるでしょう。ヤンチャに反体制なのではなく、ある種の政治的イデオロギーを抱えていたものとしてのハードコアはまさにこのバンドの音楽のなかに顕在化している。まあ小難しいことは基本的に考えないことにしているのが僕の信条ですし、それ以上に英語の歌詞があまり聞き取れないという致命的な事情もあるわけで。結局、大味な基準として、体制としての音楽そのもの(あるいはジャンルその他)からいかにすり抜けていくか、それを適切さの形式のなかでいかに梱包するか、それに尽きるわけですわ。このバンドは他のハードコア・バンドと違い、その音楽のカテゴリーをすり抜けていこうとする小粋さがある。結局のところハード・コアという用語も幻想であるのは自明であるし、この盤はどこまでもThe Nation Of Ulyssesを主張するのである。なんともロマン主義的なオリジナリティを外側から押し付けている意見ではあるが。いや、まて。様式というものもロマン主義的概念なのか。難しいところだ。いい盤でしょう。いうまでもなくFugazi好きへのメッセージである。