Mike Shannon : Possible Conclusions To Stories That Never End
ARTIST / Mike Shannon
TITLE / Possible Conclusions To Stories That Never End
LABEL / ~scape
DATE / 2006
TITLE / Possible Conclusions To Stories That Never End
LABEL / ~scape
DATE / 2006
1034。かなり久しぶりな~scapeの盤。なぜか最近あまり手を出すことはなくなったけれども、Poleの重要性が損なわれるということではなく、ただ単純にあまりめぐり合わないということである。あとnonplaceに心酔しているという事情もあるが。さて、カナダ出身のMike Shannonさんです。以前レビューした気がするのだが検索しても引っかからないので気のせいかもしれない。結局のところ丁寧なクリックでやっていくストイックな男という形容しか思いつかないのだが、この盤では女性ボーカルを投入したりするところにDJとしてのエディット能力が発揮されている。やはりややダブっぽいといっていいのかわからんが、音が拡散していくアビリティを帯びており、やや有機性を感じさせる。簡素さへ没入していくというよりも、最大限のゴージャスが演出されていて、受けがよさそうだ。僕個人としても好きなやり口である。一般的にミニマルであれ、Aphex Twinの一部の方法論ような過剰さであれ、どちらかというと極端さが好まれる傾向にあるし、実際に僕もその傾向にこれまで溺れてきたことは否定しないのだが、大体八分くらいの密度で十分にやってのけるのが、大人の着こなしであり、腐った耳の消毒にはよい軟膏となるわけだ。もちろんそこでは作家のこの上ない手腕が要求されるわけであり、Mike Shannonのこの盤はその意味でも成功しているといえるのではないか。否定的な語彙を付与されたゆとりというタームだが、結局がむしゃらさが要求されるのは青年なのであり、大人はそれを隠蔽して軽やかに夜の街をすり抜ける必要があるのだろう。基本的にそんなことをいうやつは嫌いだが。良盤。