Eleventh Dream Day : Ursa Major
ARTIST / Eleventh Dream Day
TITLE / Ursa Major
LABEL / atavistic / city slang
DATE / 1994
TITLE / Ursa Major
LABEL / atavistic / city slang
DATE / 1994
1254。以前紹介した盤"Zeroes And Ones "。実はatavisticっ子だったEleventh Dream Day。録音はJohn McEntire。ミックスはBrad Wood。前回のレビューは少し礼節を欠いていたのですこしEDD自体を説明しておきましょう。80年代後半から活動しており、評価も高く、90年代に入る前にすでにatlanticと契約し、メジャーへ行きました。89年に"Beat"91年に"Lived To Tell"をリリース。しかしあまり盤が売れることもなく、すぐにatlanticから離脱します。そしてしばらくして本作Ursa Majorをリリースした後、メンバは一端バンド活動を休止することになります。94年といえばTortoiseの1stがリリースされた歴史的な年ですね。そういう意味では本作はもっともEDDが路頭に迷っていた時期でもあり、前期EDDが完結した盤ともいえます。当時のメンバはRick RizzoとJanet Beveridge Beanという創設メンバにレギュラーであるDouglas McCombs、そして入れ替わり枠にはWink O'Bannonというかたがいました。さて、正直全く期待してなかったEDDなんですがatavisticということで買わざるを得なくなり、しょうがなく手にとったわけですけれ、M1を聞いてびびりました。これはよい。しかもかなりよい部類に入る(もちろん私個人の趣味に適合するという意味ですが)。期待値の低さからか、ちょっと衝撃が走りました。もちろん所々何というかメジャーを経由した容易な軽薄さが見て取れますが(これは別にメジャー自体が悪いと言っているのではなく、その傾向を述べている。反証としては最近のメジャーにおけるR&Bやヒップホップのクオリティの高さを参照せよ)、それでも何か現状でやれることを探しているという感覚が強く出ています。残念ながらメインとなるべきボーカル曲の大半が私の肌に合いません。しかしM1を筆頭とするインストは好きだ。ちなみにM1のタイトルは'History Of Brokeback'。想起するのはもちろんDouglas McCombsのユニットBrokebackでしょう。とはいえBrokebackとこの曲のスタイルや性質はほとんど異なりますから注意。良さの暗号という程度に思ってください。しかしこの方向性を追求することで、極めてオリジナリティの高い存在になったと思います。聴かなければわからないと思いますが、名曲です。続くM2も歌モノですがそこそこ聴かせます。どうもJanet Beveridge Beanのボーカルがはまってないように感じてします。ややフェミニンさが押し出されすぎていると感じるからかもしれない。M3なんて最悪で。M4も最悪で。M5も訝しくM6もやんちゃなだけで。M7は素敵ぶりが回復するが、M8は比較的聴けるという程度にとどまる。M9は標準的なスローテンポの曲だが、Janetさんのボーカルと演奏の相性もよく好きな部類に入るが、別に画期的ではない。とまあ全体的にやはりノンな印象を持ちましたが、ちょっと過去のさかのぼりたいと感じたことを告白しておきます。なんかあるかもしれん、という宝探し感覚。この態度によってこのブログは成立しているから。