Smack Dab : Majestic Root
ARTIST /Smack Dab
TITLE / Majestic Root
LABEL / homestead
DATE / 1994
TITLE / Majestic Root
LABEL / homestead
DATE / 1994
1205。以前紹介した盤"Queen Crab"。レーベル買いをしていると現在までその影響圏が及んでいないマイナな存在も取り上げる事になります。調べても、誰だよ、という感想が漏れて終わりという。とくにカラーの色濃く、自分なりのポピュラー音楽史を記述するために選択したレーベルだと特にそうです。位置づけが分からないのでノイズとして片付けることにもなりかねません。しかしそれはあまり好ましくない。前回同様あまり情報がありませんが、この盤自体はセルフ・プロデであり、この盤における奏者はクレジットによればLinda Kagood、Alec Stephen、J.z Barrell、Ursula Wikoskiであるという事が分かりました。この人たちが現在も音楽活動に従事しているのか分かりません。しかしここには彼らが残した痕跡があります。デジタル自動演奏でない以上、ボーカルや演奏の身振りによって刻印されたインデックス性がここにはあるのだ。そして「かつてあった」という効果は写真と同じである。彼等はまさにそこに「かつてあった」のである。それを僕は現在においてその存在様態を享受している。感動的ではないか。さて、Smack Dabのやっていることは決して悪い内容ではない。思えば90年代中葉といえば「ローファイ」な風が流れ始める頃ではなかったか。いや、違うか。手作り感のある作風で明らかに女性ボーカルが、全体をうまく演出している。新しくはないけれども、「ローファイ」という文脈で理解していくことでSmack Dabを把握することができるように思う。とはいえかつては僕も熱をあげた「ローファイ」に最近あまり手をつけていないというが実情である。というかそもそもSmack Dabは「ローファイ」なのか。自身がなくなってきた。ガチャつきはあるのだが。曲のコンポーズが明らかに自己流で面白い。かわいらしいがそのオリジナリティが不安を掻き立てるという。好きな盤だ。あれ、・・・いろいろ書いたけど聴いていると結構な良盤な気がしてくる。M13~あたりなんか完全にロック・イディオムを解体してる。ちょっともう少し聴いてみよう。