Jarboe : Anhedoniac
ARTIST / Jarboe
TITLE / Anhedoniac
LABEL / /atavistic
DATE / 1998 / 2004
TITLE / Anhedoniac
LABEL / /atavistic
DATE / 1998 / 2004
1207。いわずと知れたSwans(参考:1)のJarboe La Salle Devereauxお嬢様のソロ作品です。正直言うと、Lydia Lunchを含めノーニューヨーク以降の地下の女帝たちはあまり僕の好みではありません。あまりに振り切っているからです。恐怖すら覚える。もともと1500枚限定のコレクター盤として1998年にリリースされたものらしいが、2004年にしっかりatacisticがフォローすることで僕の耳に恐怖を提供してくれました。2曲のボートラがついとります。プレイヤーにはJaboeとBeautiful People Ltdというユニットを組んでsub rosaから盤をリリースしたLary Sevenなど周辺の人々を招致して、しっかりと1枚作りこんでいます。90年代後半にこれほど殺伐とした盤を作るというのもどうしたもんかと思います。洗練するというよりもどこまでも故意に毛羽立たせて、擦り傷だらけのサウンドです。そしてボーカルは嗚咽にも似た絶叫を織り交ぜながら、暴力的ないし呪術的な演出を繰り返します。睡眠時に聴くことは決して推奨されない。もちろんM8のように低音を聞かせてきちんと歌うものもありますが。面白いのはM13にPan Sonicがリミックスで参加していることとか。電子使いが一気に洗練されますが、Jaboeの語りに似た声が乗る事でやっぱり独自のフィールドに引き込みます。それに続いてM14ではボーカルが断片化され、エレクトロニクスによる実験が繰り広げられている。ここである種Jaboeは死ぬのですね。そしてオリジナル盤ではラストを飾る"I'm A Killer"へとつながるわけだ。聞き込めば面白そうだが、人間どうしても快楽へと逃れるわけで。