The Sonora Pine : II
ARTIST / The Sonora Pine
TITLE / II
LABEL / quarterstick records
DATE / 1997
TITLE / II
LABEL / quarterstick records
DATE / 1997
The Sonora Pineはtemporary residenceのコンピ"Sounds Of The Geographically Challenged"にも参加しており、Kevin Coultas(ドラム、ギター)、Samara Lubelski(バイオリン)、Tara Jane O'Neil(ギター、ベース、ボーカル)を基本にしたバンドです。この盤はおそらく2nd。Kecin CoultasとThara Jane O'NeilはRodanでおなじみですね。Samara LubelskiはRoyal Trux関係者のDan BrownとJackie O Motherfuckerの関係者Theo AngellによるHall Of Fameのメンバでもあります。Tara Jane O'Neilが関わる盤は総じてストリングが響いているのですが好きだからでしょうか。この盤でも控えめながらバイオリンが背景を描写しています。注目すべきはバイオリンもそうですが、O'Neilのボーカルもかなり後景へと隠れている印象があり、そこにはボーカリストとしての主張があまり見られない。その代わり強力に主張するのはドラムとギターであり、特にドラムのざらつきはかなり僕好みの仕上がりです。素敵です。結局、全体を比重を占めるのはそれらいわゆるロックバンドの基本構成要素であり、推し進められた方向というのはRadanしかりのアメリカにおける素朴主義な彼方である。ストリングとボーカルというメロディを推し進めるパートと勝手に解釈しているものが後景に向うことによって、単純明快なメロディへと解消されずに、つっかえるように鼓膜に纏わりつく。この効果はシカゴその他におけるアメリカ90年代のインディー・ポピュラー音楽を考える際には重要な点である。7曲36分という小品ながら余裕のある良作となっている。買ってもいいと思う。