Van Oehlen : We Are Eggsperienced
ARTIST / Van Oehlen
TITLE / We Are Eggsperienced
LABEL / blue chopstick(drag city)
DATE / 2000
TITLE / We Are Eggsperienced
LABEL / blue chopstick(drag city)
DATE / 2000
以前も'Rock & Roll Is Here To Die'という盤を紹介したOehlen兄弟による作品。それよりも前の盤となりますが、カタログもそれほど多くないにも関わらず同じ作家の盤を2枚もリリースするとはblue chopstickを運営するDavid Grubbsがどれほど心酔しているかが伺われます。本作でも分裂症気味で展開されるやや電子性を帯びた奇天烈サウンドはそのオリジナリティを強く主張しています。ろいうかリズムパートがときに打ち込みっぽくなっており、瓦解したテクノのような風情がある。4つ打まであって、何かしているのはわかるがもはや何をしたいのかがわからないという稀有なスタンスを感じる。この盤でも昨今盛り上がりを見せるRed Krayolaの中心Mayo Thompsonとメンバの1人であるTom Watsonが客演しており、その辺のつながりがGurbbsをひきつけるのかも知れない。つまりRed Krayola関連として位置づけることができるのかもしれないということだ。しかしここで鳴っているのは、ドイツの過激な80年代、ノイエ・ドイチェ・ヴィレのサウンドのほうが近いと勝手に思ったりもする。ドイツのジャズマンであるベテランのRüdiger Carlが参加していたりドラマーのTony Williamsの曲を演奏してみたりとややジャズへの接近も見せているので、簡素な音数ながらも混沌度も最高潮である。ちょっと聴いただけでは何だこれと投げ出してしまいそうだ。そこをがっつり組んで付き合っていくのが、この記事を書いている僕の忍耐である。