Enon : High Society
ARTIST / Enon
TITLE / High Society
LABEL / touch & go
DATE / 2002
TITLE / High Society
LABEL / touch & go
DATE / 2002
非常にすぐれたバンドだったBrainiac(参考:1)が解散し、ギターのJohn Schmersalが立ち上げたのがこのEnonである。聴けばわかるように、Brainiacのいくらかを引き継ぎながら、Tim Taylorの死を乗り越えた音がここにある、といえば聞こえはよいかもしれない。Brainiacの他のメンバはこのJohn Schmersalを除いて沈黙してしまった。どちらがTim Taylorの死を悼んでいるかはわからないが、Brainiacの音楽を少なからず伝えてくれる新しいバンドができたことは喜ぶべきことだろう。シンセをきかせたサウンドは、touch & goでは珍しいのだが、それもBrainiacの味であった。聴けばすぐわかるのだが、ときどき女性ボーカルが登場する。そして完全に日本人特有の抑揚のない英語で彼女は歌うのである。Toko Yasudaという名前の日本人女性はこの盤では先鋭化されてない感じもあるけれども、女性が加わっているバンドは非常にすぐれているという統計学的な考えによっているのかもしれない。彼女はBlonde Redheadというtouch & go系のバンドの初期ベーシストであったらしい。メンバの入れ替えも激しく、なかなか一筋縄ではいかないようだが、多種多様なアプローチで全体をとおしてあきさせないポップス性を備えている。Brainiacに出会いたいステキなリスナーには是非M10を聴いてもらいたいとこです。勝手に懐かしさを付与してしまうよい内容である。