The Orb : U.F.Orb
ARTIST / The Orb
TITLE / U.F.Orb
LABEL / wau! mr modo records
DATE / 1992
TITLE / U.F.Orb
LABEL / wau! mr modo records
DATE / 1992
もともとはKLF(参考:12)のJimmy CautyとAlex Patersonによって結成されたThe Orbであったが、この盤ではすでにCautyはThe Orbから離脱しているようだ、80年代後半から活動をはじめたThe Orbはイギリスにおけるアンビエントとハウスを組み合わせた功績によって重要な位置を占めている、Alex Patersonはwarpから発表された一連のシリーズの1枚目のコンピとなる"Artificial Intelligence"のトリを勤めるなど、彼へのある程度の敬意があったことが伺える、Petersonの功績はKLFの"Chill Out"をプロデュースしたこと、さらにはBrian Enoのもとでデトロイト・テクノを世界に紹介したのも彼であるという、これはすごい、この時期にはAlex PetersonとThrashことKris Westonのユニットとして、Lサイドで紹介された1stの成功を受け、この2ndが製作された、Thomas Fehlmannも何曲か作曲を行っているようだ、個人的にはこの盤がThe Orbの作品のなかでももっともよく見かけるものである、Lサイドにおいて指摘されているようにダブの要素が主要素でないながらも見出される、実際にハーモニカが印象的なM4のタイトルは'Towers Of Dub'だ、そして概して東洋的なメロディが前半部において散見される気がする、基本的にやっていることは4つ打に浮遊感のあるメロディをかぶせるということなのだろうが、いつも極端なハード・ミニマルと呼ばれるような曲を聴いていると、このような浮遊感のあるメロディは身体性の機敏さを阻止するように感じてしまうので、個人的にはやはりアンビエントの側面が強く押し出されていると思う、40分近くにも及びギネスにも申請された長尺のシングル'Blue Room'はさすがに17分強に短縮されM3となっている、この曲には元Public Image LimitedのベースであったJah WobbleやSystem7のMiquette Giraudyが参加している、前半繊細さがあって明確なビートからも解放されているが徐々にそれが浮かび上がってくる王道パタンではあるが、実際に白眉なのかもしれない、M6では個人的に今一番聴きたいKilling Jokeのオリジナル・メンバでもあるYouthことMartin Gloverが作曲した上にプロデュースもしており、しかも結構いい曲だったりする、以上のことを考えるとジャンルレスなニューウェーブの延長にある作品にも感じられる、10分を超える曲ばかりであるが、一応ストイックなものを搭載しながらも華やかさがある、とはいえ、これがチャートで1位を獲得するということが日本とのクラブ文化の違いを示しているように思う、商業的な評価さえも手に入れたという点を考えると、傑作の要素を持っているのであろう、実は期待値が高かっただけに個人的にはこんなもんかと思ったことを告白しておくが