Gastr Del Sol : The Serpentine Similar
ARTIST / Gastr Del Sol
TITLE / The Serpentine Similar
LABEL / teenbeat / dexter's cigar(drag city)
DATE / 1993/1997
TITLE / The Serpentine Similar
LABEL / teenbeat / dexter's cigar(drag city)
DATE / 1993/1997
個人的なことを言わせてもらうと、このブログをはじめる前に実はこの盤をすでに持っていたのです、にもかかわらずまた買っているというこの痴呆のような事態において何をすべきか、それは3枚目のこの盤を買わないためにここにしたためておくことだろう、人気盤だけあって決して安くはないためにかなり落胆しております、はあ、さて、気を取り直してレビューをしましょう、現在のシカゴを語るうえで感化できない記念すべき重要な1枚として93年にリリースされたミニ・アルバム、ご存知Tortoiseもこの年に7"をリリースしています、少し前の言葉を使うならば音響派というやつです、僕個人としてはポスト・ロックというよりも音響派というほうがニュアンスは伝わるのですがそれはおいておいて、今でもGastr Del SolといえばJim O'Rourkeですが、実はこの盤ではまだ彼は本格的に参入していないらしく、元BastroのDavid GrubbsとBundy K. Brownによるデュオであったわけです、つまりすでにこの盤で確立されていると感じられるGastr Del Solのアコギを中心にそえたスタイルはBastro組の構想であるということで、やはりGrubbsの重要性を無視してO'Rourkeばかり持ち上げるわけにはいかないのである、あるいはシカゴの代表的裏方とでもいうべきBundy K. BrownはTortoiseの初期メンバでもあるから彼がこの現在でも続く潮流の源泉であるともいえなくもない、さらに注目すべきはこの盤でパーカッションをやっているのはおそらくTortoiseを頭に抱え込んだ元BastroのJohn McEntireである、そしてこの盤を聴けばついこないだようやくリイシューされたBastroの諸作がいかに重要な萌芽を秘めていたかが十分理解できる、彼らが向かったのはより早くより強くというハード・コアの思想をさらに推し進めることではなく、音が響くということにおいて獲得される効果であった、それによってそれまでのロック・イディオムが必然的に解体することになり、そのある種不定形な音楽は奇妙な感覚とともにポスト・ロックとして呼び習わされるようになる、決して昨今のただインストであることによってロックが乗り越えられるわけではないことに注意すべきだ、それにしてもこの盤が今聴いてもかなり新鮮であって、ただただ感嘆しきりである、M4やM6に見られる激しさも現在のマス・ロックと呼ばれる音楽に通じるところがある、O'RourkeとGrubbsが自分たちのレーベルからリイシューする必要性を感じるのもうなずける革新性がある、このような名盤はブログをはじめる前の多く積極的に購入しているために、何度もいうようだがいつかそちらを一気に上げる機会があればいいと思っているが、しかし今回のような無駄な出費によるものでないほうがいいに決まってる、というか名盤とかいいながらもってるの忘れてるってどうなんでしょうか、まあいろいろ理由があるのですが