B12 : Electro-Soma
ARTIST / B12
TITLE / Electro-Soma
LABEL / warp
DATE / 1993
TITLE / Electro-Soma
LABEL / warp
DATE / 1993
AIシリーズ4枚目。93年における三種の神器、Orbitalの茶、Aphex Twinの白、Hardfloorの黄というのは別に特権的なテクノ三冠なのではない。むしろ93年という時代は間違いなくAIシリーズの年であったというほうが正しい。確かにそれはPolygon Windowによって代表的に表明されているのかもしれない。しかし取りこぼされるAIシリーズが神がかりすぎるので、なんとも誤解が生じてしまうかもしれない。この盤も下手すると取りこぼされるかもしれない一枚。そんなことはないか。多少電子への嗜好性持つリスナーであれば必然的に耳に入ってくるAIシリーズという名称。それだけに歴史的重要性以上のものを感じずにそれをたった一枚のPolygonで代表させるなんてそんなはしたないことはよしこさんでしょう。このブログではこれまで(Artificial Intelligence)、F.U.S.E.の'Dimension Intrusion'、Speedy Jの(Ginger)を挙げてきました。一応AI2とPolygonも持っていますから残りAutechreの'Incunabula'と Black Dog Productionsの'Bytes'だけになりました(追記:すでにレビュー済み)。最近疑っているのですがどうもAIシリーズは基本的に廃盤になっているようなしぐさを見せています。多分warpオリジナルではもう刷っていないのでしょう。いまはwax trax!が結構大胆にライセンスを扱っているようですが、まあそれはどうでもよいか。B12というMichael GoldingとSteve Rutterという二人によって描き出された桃源郷は人工知能という自走性を確実に手に入れている。ストイックだがメロ形成が非常に甘い詩的叙情性を獲得している。ピュアテクノの醍醐味、スタンダードをいかに部屋で聴き、踊らずにリラックスするか。ある種の強制力をもってそれを実行してきます。まさに時代の名盤。