Pinback : Information Retrieved
ARTIST / Pinback
TITLE / Information Retrieved
LABEL / temporary residence
DATE / 2012
TITLE / Information Retrieved
LABEL / temporary residence
DATE / 2012
2419。以前紹介した盤"Autumn Of The Seraphs"。2017年現在の、最新盤。それでもすでに5年経過している。そろそろ新譜が出てもおかしくない時間経過。5枚目。Armistead Burwell Smith IV(ベース、ボーカル、ギター、パーカ、打ち込み)と Rob Crow(ボーカル、ギター、キーボード、ドラム、打ち込み)の2人が圧倒的なソングライティング力を見せつけるプロジェクトPinbackです。本作では、touch & goがリリースをやめたからか、temporary residenceへと移籍してのリリースとなりました。節感のあるギターのフレージングはそのままに、複雑に網目を張るベースをはじめとするそれぞれの楽器パートと、コーラスワークにしびれざるを得ない。今作でも刺激的な曲が並べられています。なんでしょう、どんどんEliott Smithのそれのような心が発生しつつあります。もはや現役で期待できるソングライターは君たちしかいないよ、とでもいうようなそんな、回顧的な感想。きっと2017年でも、現在進行形の良質な音楽が生産され続けていると思うけれど、それに僕が気づくのは、また5年たってからなのかもしれない。もはや時代遅れのリスナーに成り下がってしまいましたという。USインディーという、それ自体が大きなジャンルだった世界はいまやインターネットに無産してしまったのだと思う。Pinbackの次の一手は、もしかしたらふわっと拡散するそのなかで僕の知覚から取りこぼされてしまっているのかもしれない。彼らの音楽が大きく鳴ることなく世界が閉じてしまうことは本当に悲しい。こんなに適切に一粒ずつ音を鳴らしているというのに。いまだ外さない傑作だけを残し続けるPinbackと、彼らを取り巻く環境と、音楽に幸あれ。