Don Caballero : For Respect
ARTIST / Don Caballero
TITLE / For Respect
LABEL / touch & go
DATE / 1993
TITLE / For Respect
LABEL / touch & go
DATE / 1993
2413。以前紹介した盤"What Burns Never Returns"。記念すべき1st。メンバーはDamon Che(ドラム)、Ian Williams(ギター)、Mike Banfield(ギター)、本作で脱退するPat Morris(ベース)という初期布陣。1991年にDamonとMikeとPatで結成され、その後Ianが加入しダブルギター体制に。その後、「マスロック」なるものがにわかに市場で語られ始めた時に、その先駆けとして言及されることが多いバンドだった。今は知る人もそれほどいないだろう。この盤が四半世紀近く昔の盤であることに驚きを隠せない。2000年という節目に、ぼくたちがその隔世を感じるのは1975年の盤だ。そういうほぼフリーズした時代を生きていることに悲しみすら覚える。1993年といえば、テクノ三種の神器がリリースされ、warpのAIシリーズが展開し、Nirvanaの"In Utero"がリリースされた、そんな時代。グランジは終わり新しい90年代の潮流、しかも細分化とカテゴライズの果てに金銭を獲得する最後にして最大の黄金時代が到来する時代。ドンキャバのインストでやっていこうとするスタイルだってこの時代でなければうまくいかなかったろう。本作を聴けば、その後のキャッチーな展開よりもヘビーな印象が強く、再結成のさいにメタル系の実験レーベルrelapseと契約するのも決しておかしくはない。どうもwikiによれば、Ianが加入したのが本作の直前らしく、彼の印象的なタッピング奏法や、その美麗なハーモナイズはなりを潜めているとのこと。なるほどなぁ。そういう意味ではIanはかなりポップ職人だったということがわかります。本作でのやり方を展開しても、さほどこのスタイルが大きく取り上げられることはなかったことでしょう。クレジットはないがSteve Albiniが録音担当とのこと。蓋然性は高いですが本当かどうかは定かでない。