Wishmountain : Tesco
ARTIST / Wishmountain
TITLE / Tesco
LABEL / accidental
DATE / 2012
TITLE / Tesco
LABEL / accidental
DATE / 2012
2404。ぱっと見だれだかよくわからないでしょうが、一応かのう著名なMatthew Herbertさんいよるソロプロジェクトの2作目です。1998年にこの名義で1stを出しています。90年代後半から名義をころころ変えながら活動したHerbertさんですが、なぜ2012年にこの名義を復活させたのか理由はよくわかりません。Matthew Herbert名義ではこの前年に、"One Pig"でその豚メッセージを音楽へと高らかに構築ちたわけですけど、今作でのテーマはテスコ、すなわちイギリスの誰もがしる有名スーパーマーケットです。生活を音楽にするという思想そのままに、テスコで210年に1年間で一番売れたというブランドベスト10の商品だけをサンプリング音源として利用し、まさにイギリスの人たちの生活の音をHerbert流に仕上げています。コンセプチュアルな音の採取方法は、近年のHerbertのもっとも顕著な特徴であるし、彼をスタイリッシュでアーティスティックな音楽家へと一気に格上げ(あるいは権威づけ)したやり口でもある。こういうことをされたらヒップでキッチュな音楽を愛する子どもたちは目をキラキラとさせてしまう。全9曲。M1はスポーツドリンクのLucozade、M2は日本でもおなじみNescafe、M3はパンブランドKingsmill HovisとWarburtonのダブル使い。M4は果汁ジュースのFruit Shoot、M5は牛乳ブランドDairy Milk、M6はビスケットクッキーのWalkers、M7はかわいい子犬が目印のトイレットペーパーブランドAndrex、そしてオオトリM9はわれらがCoke。これだけ見ると消費産業っていのうは飲み物飲んでお菓子食べてパン食ってクソしたケツを吹くことによって完結することがよくわかります。やってることはポップな印象かもしれませんが、そこから練りだされるHerbert一流の粒だった音像からは、わりとシリアスなタッチの音楽が形成されいます。これだけ聴いてもその職人的な構築に耳をそばだてる以外に派手さのない1枚ですが、それこそイギリスのテスコで本作を聴けば、悪い気分はしないでしょう。