Jad Fair and Daniel Johnston : It's Spooky
ARTIST / Jad Fair and Daniel Johnston
TITLE / It's Spooky
LABEL / fifty skidillion watts / jagjaguwar
DATE / 1989 / 2001
TITLE / It's Spooky
LABEL / fifty skidillion watts / jagjaguwar
DATE / 1989 / 2001
2409。1/2 Japanese(参考)のJad FairとDaniel Johnston(参考)の競演。今から見たら稀代のヘタウマ奇想ミュージシャンの夢のタッグマッチ。ちなみにJad Fairは1954年生まれ。Johnstonは61年生まれ。ジャケはjagjaguwarでの復刻仕様を掲載していますが、そこで眼鏡置きJad Fairが来ているTシャツはDaniel Johnstonデザインで"Hi, How Are You"のジャケを飾ったかの有名なキモイやつ。もともとはJad Fairの例のレーベル50,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 wattsからリリースされたセルフタイトル。1993年にpaperhouseというレーベルから一度リイシューされ、その後jagjaguwarからリ・リイシューされるにあたりさらにボートラをぶち込んで全部で31曲という大ボリュームとなった。M9ではThe Beatlesの'Tomorrow Never Knows'をサイケ感と手抜き感満載でカバーするなど刺激的な1枚となっている。そのほかにもPaul McCartney単体作曲の'Hands Of Love'なんかもラインナップ。ボートラには、Burt Bacharach作曲の1965年のヒット曲'What the World Needs Now Is Love' 、あるいは同時代バンドの Butthole Surfersの曲なんかを自分たち流にやってのけるものだから、そのような音楽史に身を投じていない限り、勘違いして彼らの魔法に騙されてしまうことだろう。騙される、というのは、彼らのメイキング・ミュージックの流儀が、それはそれでとても美しいものを秘めているということだけど。そのたまらないがちゃがちゃ感。ローファイの極限のジャンクの極限といった感じか。その中にたまに現前する異常事態なほどキャッチーな旋律たち。あまりにも見事で、彼らのやり口はアティチュード込みで多くの作家の心に突き刺さったに違いない。まるで名曲となるはずのデモを大安売りしているようなパンクスタイル。今ではただのごみカルト音楽になるのだろうか。なんとスプーキーな。聴かなくても聴いても、今では何ら感慨深くないだろうけど、いつかまたこの手の音楽の順番が回ってきたら。